田舎ぐらしのリアリティ (5) 飛騨を走る
8 May 2016
ご近所にまた新たなケーキ屋が登場。散歩を兼ねて行ってみた。ケーキも買ったが、出色だったのは注文後に中身を詰めるシュークリーム。しかもコンビニスイーツと大差ないお値段。これはシュークリームが看板商品なのでは。
なわけで連休前半のおでかけ、初日分ラスト。
えっ、行き先は美濃じゃないのかって? 両親宅は確かに美濃だが、極めて飛騨の影響が強いエリア。日々の買い物はほとんど飛騨側で済ませており、ご近所の人もわざわざ下呂の大きい店まで行ってるそうで。
まあともかく飛騨でもういっちょ寄り道。
飛騨金山から徒歩圏内にある、下原八幡神社。一見ふつうの神社だが、2つの鳥居の間に大きな特徴がひとつ。
なんと参道をぶったぎるように線路が。第4種踏切を遠慮なく通過する列車。いうまでもなく高山本線である。
て、あれ? ここも東海標準デザインでしたっけ? 後で確認したら、2人で撮影して回った4年前にバリバリ現役だったキハ 48 形は昨年引退していた。
実はこの時、高山本線のダイヤは若干ぐだぐだになっていた。どうも東海道線の遅れが波及したようで、ひだがいくら待ってもさっぱり来ない。下り各停(上写真)が壮大に遅れ、離合相手のひだに影響したか。
粘り強く待つことにしたのはいいが、なんせ神社の森の日陰、しかも川沿いの強風で非常に寒い。たまらず車に引き上げ、窓から耳をすまして、1つ隣の踏切の警報音を待つ作戦に出た。
ざっと50分遅れのひだ12号、ようやく登場。
乗っている人たちがどれだけ待たされたのか知らんけど、おつかれさまです。
そして5分ほど遅れたと思われる14号が、その25分後に現れた。
いやー寒かったー。そそくさと車内に戻り、実家へと向かった。
とにかくこの日は午後からどんどん寒くなり、みんなで夕食に出かける際は両親のコートを借りるほどの冷え込みに。ただ、4日間の旅でガツンと冷えたのは本当にこの日だけだった。
両親の新たな住まいは、築100年近い古民家。人口減少に悩む自治体が空き家を取りまとめ、移住希望者と面接の上で仲介する、という、最近の I ターンの定番らしきプロセスを経ての転居だった。
その話は泉州居住時から多少聴いていたものの、やっぱり実際住んでみると想定外のことも多かったらしい。行動が筒抜けになるとか村八分の家があるとか、田舎のテンプレみたいな話もあったけど、ご近所さんは概ねよくしてくれているようだ。もちろん、両親が農作業や近所付き合いを積極的にしているのが前提だとは思うが。我々の滞在中にも父が2晩ほど、地区の集会所へ出かけて面倒な話を聴きに行っていた。
耕運機をもらって耕した「家庭菜園」には、すでに複数の野菜や果物が植えつけられていた。昨年夏まで某社のお偉いさんだった父が作業着に身を固め、すっかり農家のおっちゃんに変わっていたのは、ちょっとおもしろかった。両親よりさらに不慣れな我々にできるのは、ごく一部の雑草取りくらいなもんだ。
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