神在月の陰陽路 (17) 駆ける大蛇・6

明日は早起きして日帰り撮影旅。今のところ出先の予報はいい感じ。いいもの撮れるようにがんばろう。
では秋旅3日目ラスト、おろち号の巻完結編。

途中駅の一部は近年、元の構造をなるべく維持する形で綺麗に直されたようだ。

そんな八川駅。隣の出雲横田が更に輪をかけて立派だったのだが、うまく撮れず残念。

それにつけても、太陽光とはこれほどまでに偉大なわけでありまして。

往路2時間半でこってり観たはずの、ふつうの農村風景も見違えるようだ。空は青く、緑は明るく。

棚田の広がる地区もあった。田植え直前や稲刈り前に来たらさぞかし壮観であろう。

すすき野原も半逆光を浴びてほんのり輝いている。

そうそう、前日に島根入りした時から気になっていたものがあった。

オレンジっぽく見える赤い屋根。
但馬エリアでは真っ黒な屋根ばかりだったのに、鳥取県境付近から急激に赤が増え、ほとんど寡占に近い状態にまでなっていた。石州瓦といって石見の名産らしい。要するにご当地品である。寒さに強いのが特徴らしいが、緑に囲まれた環境にもよく映える。

などと景色を眺めるうちに、ゴールが近づいてきた。

吹き付ける雨の中、あれだけ寒い寒いと縮こまっていたにもかかわらず、避難用の控え客車を使うことは一度もなかった。他の乗客も大半はトロッコに居座っていて、1組が赤ちゃんのおむつ換えに使った程度と思われる。
終わりよければすべてよし、という言葉があてはまるのかは微妙だが、ともかく最終的には晴れてくれてよかった。というか、助かった。

こうして、無事木次に到着。

しかし、レジャー目的でおろち号に途中から乗車し、木次線で引き返す人は大変そうだった。隣ホームには、こちらの到着を待ち構えていた様子で、まもなく発車と案内される下り列車。なんとこれが備後落合ゆきの本日最終列車である。これ以降は全部横田止まりらしい。いや、あの、まだ15時なんすけど。
楽しい旅の最中に、山間部ローカル線の現実を知ることもあるわけで。

あとは、備後落合ゆきと背中合わせで待っていた宍道ゆき利用で松江に戻る。

宍道と松江の間は、ほぼ宍道湖に沿って走る山陰本線。朝はどんよりとしてカメラを向ける気にもなれなかったが、今は穏やかな空の下、青い湖面にさざ波をたてていた。

松江も青空。なんか鳥取と似たような駅舎だが、高架化の時期がかぶっていて納得。
さあ、明日はこの調子で晴れますように。

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