Report – TK/MusicDesign/父母ヶ浜(配信版)/ 2020.10.31

よもやの2週連続配信となった10月後半。Ground の 002 もアーカイブで観たんだけど、個人的満足度がより高かったこっちの話を優先。配信チケット発売を遠征中に知り、勢いでポチったため、のちに確認不足が発生することとなったが、それはそれ。トーク一切なし音楽だけの高純度イベント、楽しく拝見した一視聴者の感想として。

もくじ

set list

01. NEVER END
先生登壇前から3分くらいシンプルなエフェクト音が流れていて、そこに手弾きをかぶせる形でスタート。ピアノで乗せたのは、イントロの琉球音階を抜粋したフレーズ。「会場が海辺」つながりかな。

02. Route 246
今年の発表曲がライブの序盤で「挨拶代わり」に使えるのはうれしいもんやね。途中の転調部分がアレやったのはご愛嬌。

03. My Revolution
単音のみで始まった頭2音が、コードを合わせることで一気に色づく。もはやクラシックのような安定感。

04. SWEET 19 BLUES
安室ちゃん作品が多いのは一般層を意識してのことか。会場となった海岸は「日本版ウユニ塩湖」として近年有名な映えスポットのため、ステージのはるか後方で映えてる人たちの姿が歌詞世界と重なる。

05. DEPARTURES
他曲含めて DJ パート以外はこれ用に新録したように聴こえた。配信専用映像だろうか、付近の海上で飛ばしたドローンの空撮が演奏姿に時折かぶせてあり、これが結構ハマる。

06. YOU ARE THE ONE
原曲よりもさらに穏やかなアレンジ。
余談だが、同曲後半で当家のルータが不調となり再起動(次曲中に復帰、アーカイブで全編聴き直した)。当日ライブ配信自体は順調だったのだろうか。過去含めてイープラスで不具合が出たことはないけど、今回ぴあが駄目だったという話らしく。

07. BOY MEETS GIRL
終盤の DJ パートを覗いて唯一、ほぼ全編にわたってドラムあり。トライバル風味を薄くした解釈が新鮮。

08. Danny Boy (※1)
これと次曲、よそ様の楽曲をはさんできたのは意外だったが、ちょうどこの2曲で日没となったので納得。配信チケット販売開始時に16:00 とされていた開演予定が後日 16:15 と変更になったことも考慮すると、日没前後でモード切り替えの意図を感じる。

09. Robinson Crusoe (※2)
先生はたまに音色をかぶせる程度で途中から DJ 準備に入るし、太陽が隠れ始めたのちらりと確認してるし、「ここから夜モード」の合図としての選曲に思える。

10. Can You Celebrate?
前曲からのクロスフェードで空気一変。Art Mix(JOBS#1 等収録)をベースに安室ちゃんボーカル追加。しかし後半、鍵盤ひと押しで実質げわい化。このマッシュアップはずるい。作者本人しかできんやつや。そして先生からこの日初の手拍子煽り、客席起立。

11. Get Wild
ライブ名物サンプリング連打祭りからの、SICK INDIVIDUALS Remix ベース。客席は陸側(椅子)と海側(すのこ)の有料勢がぴょんぴょんしていたのは当然として、外周の無料エリアで立ち見の皆さんもぼちぼち楽しんでいた様子。
最後は伸びやかに奏でた moog から、広がりのある音色で締めたまま終了。先生自ら「Get Wild 退場」をキメる形となった。

※1:”You Raise Me Up”(荒川静香さんのエキシビションで有名)の元ネタとなったアイルランド民謡
※2:Art of noise によるカバー版。「ジェットストリーム」金曜版 ED とかで有名

appendix


まずそもそも「『父母ヶ浜芸術祭』の催事のひとつ」だったことに気づくの遅すぎ問題(上写真は芸術祭公式サイトから引用)。って河瀨さんのトークイベントと類似パターンやないか。もうちょっと学習します、と反省の一方、先生側はわざと言ってない気すらしてきた。大々的に言ったら都会からわーっと集まったかもしれん一方、コロナなご時世だし、芸術祭本体が今年初開催らしいし。
要するに「現地観覧の手段をもっと宣伝してくれたら香川県なら行けた」って言いたいだけなんすけどね。

一方でオンライン鑑賞にも利点は多く、カメラ調整が優秀でド逆光でもバッチリ演奏姿は見えたし、人の身長より高い位置からのクレーンカメラや、海上ドローン映像とステージが重なる演出などは現地で味わいようがないし、もちろん1週間見放題。6000 円以上出した甲斐はある。前週の Ground 002 が演奏パート1曲しかなかった消化不良感は、こっちで回収する流れやったわけね。
また、配信ではライブタイトルから現地映像に切り替わるまでの間、音と同期しているらしき CG が13分ほど放映。同様の映像が現地にて、陸側席の背後に設置されたスクリーンで投影されていたが、あれは脇田玲氏とのコラボ(サイトに記載あり)。同会場では翌日以降、連名で類似の映像インスタレーションも行われていた模様。数年前のアルスエレクトロニカを思い出した。

なんにせよ、今年復帰後ついに「一般ファンが自主的に観覧可能なライブイベント」が実現したことは喜ばしい限り。今回は参戦機会を逃したけど、またそのうち巡ってくることを願って次のなにかを待つとしよう。

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