国づくりの国めぐり (4) 美観整う庭
8 Dec 2021
準備しなきゃと思いつつ、なかなか進まない年賀状の仕込み。それとは別に、今年は年賀状出せないけど便りは出したいお相手が1件。せめて何か気の利いたものをと、いい感じの寒中見舞いはがきを先日買ってきた。どうせならいい切手も添えたいな。
さて秋の山陰旅、初日後半は屋内で過ごすよ。
おとなりの安来市に、旦那さんが以前から気になっていたという施設がある。貴重な山陰旅の機会、せっかくだからと旅程候補に入れておいたのが、ここに来て降雨でも問題なく楽しめるスポットとして重要度が上がったのであった。
足立美術館。地元の実業家が一代で集めたコレクションを中心に、多くの日本画などが収蔵されている。とりわけ横山大観作品が多いのが特徴で、当家も富士山(「夏之不二」)の絵はがきを購入。いや、絵に添えられていた「かわいいと評判でグッズ化の要望多数」てコメントにつられて。
ふつうの美術館と同様、美術品はいうまでもなく撮禁。なのだが、当館にはもうひとつ重要な目玉が。むしろこっちが本体という声すらありそう。
建物の外周をぐるりと取り囲む日本庭園。そう、こっちは撮影自由でありまして。そうと知っていたから当家も一眼装備、他のお客さんも大半がカメラを手にしている。
見るからにすみずみまで計算の行き届いた立派な造り。
もうしばらく季節が進めば、紅葉も楽しめることだろう。
ちなみに、こちらが創設者の足立全康さん。美術品集めだけでなく庭造りにも積極的にかかわったようだ。
展示エリアをつなぐ廊下や休憩所など、あちこちに大きな窓が設けられている。
そのたびに立ち止まっては、立派な石で架けられた橋を眺めたり、
最初から「庭の額縁」として用意されたらしき窓を、そのまま使わせてもらったり。
よく観れば奥の方には滝まで作ってある。
庭園もまたエリアごとにテーマが分けられており、それぞれ違う表情を楽しめる。
池を主体とした庭は、対岸に立派な松や小さな庵を配する。この立ち位置の背後に床の間があり、そこから観られるのが一風変わった庭ビュー。
題して「生の掛軸」。床の間に掛軸サイズの窓が開いていて、その向こうにある別の庭を切り取って見せる展示方法。
類似品として「生の衝立」というのもございます。庭を楽しむ人もまとめて山水画の登場人物ってことで。
その後、順路通りに進むと、自分たちもまた山水画に描かれる立場となる。それを承知で、しばし堪能する白砂青松。
たっぷりと絵画を拝見して復路に入ると、窓越しの庭では雨足がだいぶ強まっていた。
雨に煙る遠景、これはこれでまた別の風情がある。
こうして、1時間ほどかけてたっぷり堪能した和の空間。本来の予定よりだいぶ早いけど、なんせこの雨。お宿方面へ向かう。
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