Sweet 10 Journey (28) 地獄の巡回券・4

珍しく旦那さんが午後に仕事。といっても自宅からリモートで見守るだけの比較的簡単な対応で、まっくから延々と音楽流しながらのお気楽タイムが大半であった。こういう場面で「家から参加すればよし」となるのは今年の数少ない恩恵かもね。
さて秋の豪遊4日め、地獄めぐり終盤戦へ。

お宿の前を通過しつつ、残す地獄はあと2つ。

しかし何度観ても「地獄組合」って文字列のじわじわくる感。現実社会と異世界のごちゃまぜ具合がツボるのだろうか。

先に向かったのは、組合の中でもっとも新しい鬼石坊主地獄。

今世紀に入って40年ぶりに再開したというから、修学旅行では絶対寄っていないことになる。

坊主と呼ばれるのは、噴出する泥の盛り上がる様子が坊主頭っぽいから。組合に入ってない古くからの地獄にも同様のものがあるらしい。場所によって噴き方がそれぞれ異なり、より坊主らしい形状のものをつい探してしまう。

蒸気だけ出るタイプの間欠泉もあり、鬼の高鼾(たかいびき)と名がついていた。

そこを出るとすぐ近くに、海地獄への入口。

地獄の中でも最大規模なのがここらしい。ひときわ立派な窓口からもうかがえる風格。

大きな池のほとりを歩き、おみやげ売店を通り抜けて奥へ向かう。池にはスイレンやオオオニバスが植えられており、地獄というより極楽っぽい風情すら漂ってくる。オオオニバス的にはオフシーズンなのか、噂に聴くような巨大な葉は敷地内の温室にも見当たらなかった。
で、地獄本体なんですが。

看板据えてある真正面からのビューが一番わけわからん。鬼山と同じようなことになってるのは、ここもめっちゃ熱いタイプ(98度)だからか。幸い、ちょっと高いところに白池同様のお立ち台があり、そちらに登って俯瞰も可能。

上から観ても湯けむりが特大なことには変わりなかった。が、アングル次第では確かに海のような色をした水面がうかがえる。

噴出口が密集してないところから覗いてみた。この発色は硫酸鉄による青さだという。水際に透ける底の色合いが白砂の海岸ぽくもあり、一部に熱帯性植物も植えてあったりして、確かにこれはまるで海。

温室を出たところには、海色じゃない一角も。ほんとに掘削場所次第で泉質が変わるんやな。

売店にてクーポンを使い、3蜜だんご&ソーシャルディスタンス饅頭の2大ネタ商品を仕入れて帰ったのは既報の通り。

だんごは部屋に帰って早々、備え付けの台湾茶とともにおいしくいただいた。饅頭は帰宅後、あっという間にお茶菓子で消えた。
実際かなり品揃えが充実していた売店の傍らには、即位前の昭和両陛下が訪れた記念碑。それもまた有名観光地においては、一種の箔付けであり誇りでもあることだろう。こうして無事すべての組合所属地獄をめぐり終えた頃には、16時半をちょっと回っていた。

ただ、あの、海地獄さん。そこのフルカラー LED 派手看板は別業種にしか見えんのですが。

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