欧羅巴円舞曲 II ウィーンの香り (11) Kunsthistorisches Museum Wien : 1

またもや台風が来るかもって話なんで、火曜くらいまで見据えてまとめて買い出し。比較的日持ちするタイプの野菜と、そこそこ保存がきくタイプの肉類。あとは荒天の具合が少しでも軽くてすむよう願うばかり。ほんと今年は天気に振り回される夏やわ。
さて欧州旅6日め、観光らしいことも多少やっております。

リング沿いに戻って、次の目的地は一般的な定番スポット。

Maria-Theresien-Platz の名の通り、広場中央で見上げるほど大きな台座に堂々と腰を下ろすのは、女帝と呼ばれたマリア・テレジアさん。この像をはさんで、姿形も用途もそっくりな2つの建物が向かい合って建っている。

こっちは自然史博物館。生き物や鉱物などの展示が行なわれている。

そしてこっちが美術史博物館。Museum だから「美術館」と訳してもいいんだけど、「美術」がダブるから個人的には「博物館」を推したい。市の観光局でもそう言ってるし。

うむ、見事な左右対称コピペ。でもって観光客の多さよ。どのくらいかというと、付近の側道にずらりと観光バスが列をなして駐車しているほど。あとで観たら日本のツアーもあったよ。中欧5ヶ国周遊8日間だったかな。おそらく、そのうちの4ヶ国は旧帝国領だろう。バスでガンガン回るにしても、なかなか詰めたスケジュールやね。

と、それはさておき。前回はこういう施設にもまるで手が回らなかったんで、美術品鑑賞会と行きましょうか。

正面玄関前には謎の記念撮影ポイントも常備されている。正体というか元ネタは、我々が受け取った入場券のうち1枚に描かれていた。

この黄金の像、なんと調味料入れ。正確には「食卓用塩入れ(サリエラ)」という。ややのけぞって向かい合う男女の傍らに、それぞれ塩と胡椒を入れるものらしい。
入場後、まずやることは荷物の簡素化。リュックサック類は展示エリアに持ち込むことができないため、入口付近でロッカーに預ける。我々もここで一眼を預け、財布類を入れた小さなバッグとコンデジのみで向かう。といっても、もともと想定していた夕食時などの軽装備に切り替えるだけなので楽なものだ。

複数フロアにわたる館内はとても広い。本当はこれ以外にも著名な絵画(入場券で出てきたバベルの塔とか)やらなんやら盛りだくさんなんだが、時間の都合上、また順路がいまいちよくわからなかったこともあり、我々が観て歩いた展示エリアはごく一部。ただ結果として、それがハプスブルク家の著名な工芸品コレクション Kunstkammer だったので、ある意味効率がよかったとも言える。なんせ展示品のクオリティが半端ないって。

例えば船なら、輝く船体に、細部まで描き込まれた帆。

およそ実用性からは遠く離れたところにある、恐ろしいまでの精緻な細工が施された食器の数々。

帝国後期になるとオリエンタル趣味がそこかしこに見受けられるようになっていくのは、宮殿のインテリアに通じるものがある。
何世紀にもわたって、帝国を統べる者たちが集めた品々。そのひとつひとつに、気の遠くなるような時間と予算がつぎ込まれたであろうことが伝わってくると、庶民の口からはただ感嘆の声が漏れるばかりでございます。
ちなみに写真があるのでおわかりかと思うけど、フラッシュさえ焚かなければ撮影自体は可能。ありがたいね。

でだ。我々にはこの館内でどうしても行っておきたい場所があった。

エントランスに戻り、そして案内に従って別の階段へと進む。

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