みやこに宝ありけり (3) 寺社栄える

年末進行が加速しております。自分がやるべき領域はきっちり進めているんだが、若干の余裕があると見るやすかさず別の仕事をつっこんでくる隣席氏。まあ実際、小一時間ちょいでなんとかなるわけで。だから回ってくるのか。
なわけで先月の京都ぶらぶら最終回。

ついでにちょっと寄ってみたかったのは、以前に門だけ一度観たことのあるお寺。

知恩院である。随分昔、花灯路でこの三門を舞台にプロジェクションマッピングが開催されており、観てはみたものの若干伝わりづらい絵柄で、不思議な気分になったのをなんとなく覚えているが、それ以来数年ぶり。

今度はちゃんと境内に入ってみた。というのも、観てみたいものは上にあったので。階段をいくつか登ると、境内の南東角に近い辺りにそれがある。

ほぅ。これがかの有名な大鐘楼ですか。
あまりにも大きすぎて、大晦日の除夜の鐘では十数人が縄を持ち、主導の一人が敷居を支点に全身を反らせてダイナミックな撞き方をすることで知られている、まさにその鐘。さすがに当日来るのは人大杉で厳しいが、せめて実物を一度観てみたいということで。

あ、はい。でかいですね。厚みだけで 30cm というからとてつもない破格のスケール。これは素人には撞けませんわ。実際に鳴る音は、さぞかし迫力をもって京都の街に響くのであろう。

そこからくねくねと道に沿って下りていくと、歩いているうちに寺を出ていつの間にか円山公園になる。

道のあちこちをもみじが囲む。時折、人力車も駆け下りていったりする中、のんびり下る。

しかし、少し行った辺りでにわかに雨が降り出した。実は国宝展の待機列にいる時にもぱらりと降ったんだが、自宅付近が雨の気配すらなかったんで傘の持ち合わせはなし。あたふた。

道はそのまま八坂神社の境内へと続いていた。ようやく建物の陰に入り、一息ついた頃。目の前の舞殿で、今まさに結婚式が終わったところだと気づく。そして奇跡は起きた。

新郎新婦が舞殿を出て移動を始めた途端、雨はぴたりと止み、本殿には虹まで。これには居合わせた人も一斉に驚く。

どうやらあのお二人には神様の祝福があったようですね。知らん人だけど、どうぞお幸せに。

通り雨に洗われた神社の空はどこまでも青かった。最後にそんなまぶしい景色を拝んだところで、我々はおみやげを手に帰宅。

平安殿で仕入れたお菓子と、それに合わせて辻利で仕入れたお茶で、少し遅いおやつをおいしくいただいた。お菓子は数日に分けて食べるどころか、その場で全部消えたのは仕様です。

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