しあわせを運ぶ港都 (2) 災害のきずあと

あれやこれやで妙に忙しい週明け。できることから一歩ずつ、やね。神戸編の続き。

実を言うと、吉兵衛さんの碑は在処をしっかり把握しておらず、たまたま見つけたのだった。それは海沿いに見つけた船につられたおかげ。

この日本丸とは、後程もっと観やすい場所で再会することになる。

先程から、旧居留地の辺縁に沿って歩いているような状態。

従って、そこらじゅうに石壁の建物が当たり前のようにある。

で、たまに歩道にブロンズ像が飾ってあったりもする。背後のビルは、足元だけクラシカルな意匠を残して上につけたしていた。最近そういうの多いね。

道1本隔てれば、そこら一帯は船着き場になっているようだ。

例えば税関の船。どっちかというとクルーザーのようにも見える。

こちらは海保。「あわぎり」という船名を観て、2人揃って「泡切れが良い」と洗剤の売り文句を連想したのは秘密。

道といえば、この近辺はやたら凝ったマンホールの蓋が多かった。

このくらいだとすっきりしていて良いのだが、

中には限界まで名物を詰め込みまくったものも。

ほどなく、巨大な魚がそっくりかえったオブジェに行き当たる。

どうやらここから先はメリケンパークのようだ。そのまま進んでいくと、ある施設が。

…あぁ、ここにあったんだ。
震災メモリアルパーク。当時壊れたものをそのままとってある一角があることは、いくらなんでも知っていた。が、1人でここに来る用事がなかったこともあり、それがここだとは、このとき現場に着くまで全く想定していなかった。このへんがにわか関西人の弱み。

囲われた通路ごしに中を覗く。

大きく傾いた街灯。とても歩ける状態ではない波止場。

一部は原型を想像するにも苦労する。
受験前日に歩いた、ほこりっぽい三宮のことは覚えている。つぶれた市役所の形も。それでも完璧とはいえない記憶を、今も残るものが補完していくんだな。

まぶしい青空を、飛行機雲が悠々と行くのを見上げた。

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