羽越、雨のち晴れ。(8) ほんとうの空

ようやく日常生活に戻ってまいりまして、買い物とか行ったのはいいが、なんとなく野菜の品揃えが少ないような気がしないでもない。よく行く八百屋で葉ものがほとんどなかった。盆休みの余波なのか、悪天候の影響なのか。後者だった場合は長引かなければいいのだが。
まあそんなわけで6月日本海旅の巻ラスト。

最初の撮影地が新潟中部だったこともあり、往路に使ったのは関越ルート。同じ道を往復するのも芸がないので、復路は東北道を使うことになった。

おや? 雲の向こうに雪山が見える。もっと近くで観れないかなー、と思いながら進むと、

あらこんなところにパーキングエリア。こりゃ好都合、と喜んでお立ち寄り。月山湖 PA といって本当に最低限の設備しかない簡素なところだが、景色を観るためのものと割り切れば至極納得。

左から湯殿山・姥ヶ岳・月山。微妙に山頂は見えていないが、目に涼しげな雰囲気は味わえたのでよし。

引き続き山形道で県内を横断し、太平洋側へ向かって山を越えていく。

蔵王と思われる大きな山もあったが、やはりこちらも雲が厚い。山とは往々にしてそんなもんだ。つーか梅雨やし。晴れてるだけでありがたいし。と、行程の大半が曇りか雨だった我々は思う。

東北道に入り、宮城県を通過してさらに南下。日が沈みかけた頃、人間も車もはらぺこになったところで、次の SA に入ろうと決定。

長く伸びた雲が、夕陽を浴びて複雑な色合いに染まっている。空のグラデーションも深い。

というわけで安達太良 SA に到着。上空の美しさに、思わずカメラを持って外に出る。

振り返ると、サービスエリアの名でもある安達太良山。言わずと知れた、智恵子抄にも詠まれたあの山である。

阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。

智恵子が言ってるのは空の色のことだけじゃないんだろうけど、この日の空は確かにとても澄んでいて、「ほんと」と呼ぶにはふさわしく思えた。
やはり大都市以外は街灯りが少ない分、残照も長く続くのか。その後の道中も、およそ20時頃まで山の稜線が見て取れるほどの空であった。勿論、家に着いた頃にはすっかり真っ暗だったけど。

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