欧羅巴円舞曲 I ブダペストの空 (11) Red Bull Air Race : 1

暑さがぜんぜん一段落しない。体調崩すどころか命を落とす人まで出てきては、これはもう熱波と呼んでも差し支えないのではなかろうか。室内でも油断せず、水分ミネラル塩分などに気を配って過ごす毎日。あ、だから塩タブレット売り切れてんのか。
さて欧州旅ですが、2日め午後に観た大きな催し物のお話を。

漁夫の砦から見下ろす国会議事堂。この写真の中に、今回のブダペスト訪問最大の「想定外」が含まれている。

無数の尖塔に混じってドナウの川面に立つ尖塔。わかる人には一発でわかるこの紅白の円錐は、世界各地を巡って行われるアクロバット飛行機競技「レッドブル・エアレース」での通過ゲートとなる空気式パイロンである。
ってなんで旅行中にそんな一大イベントかぶってるんすかー!
そもそも当家の旅行先選定基準は「電車の有無」が最優先、次いで「街の景観・気候・治安」、おまけで「現地の祝日回避」。スポーツイベントの開催は完全に想定外。そしてレース開催予定日が判明したのは、旅程決定して航空券&宿を手配したより遥か後日、渡航日が迫ってきた頃のこと。そら知らんがな。まず千葉以外の開催都市すら知らんかったし。

かぶってしまったものは仕方がない。というより、絶好の観戦チャンス。そこで、本来は王宮周辺の散策に使う予定だった時間をエアレース鑑賞に転換。名所見物と眺望を兼ねて漁夫の砦入場となった。ただし、最初の写真でおわかりのように、手前の教会の尖塔が国会にざっくり刺さるのは御愛嬌。
そうこうするうちに、午後のレース開始。

チェッカー柄のパイロンがスタート兼ゴールライン。そこを猛スピードで小型機が突っ切る。て、速っ! 最初の1、2機でおおよそのコースは把握したものの、カメラで追うこと自体が大変。

コースを2往復して、最後に大きく上へ舵を切り、上空に逸れたらターン終了となる。

と書けば単純なんだけど、ここは世界有数の景観を誇る都市。観客にとってはレースそのものだけでなく、街並みとのコラボを存分に楽しむのも醍醐味のひとつに違いない。

とりわけ驚かされたのは、鎖橋をくぐってのスタート。この先にパイロンがあるんだが、もはやこっちがスタートラインに見える。つーか世界遺産くぐっちゃっていいんすか。市もよく許可したな。あ、もちろん橋は終日通行止めっす。

ひとつ北のマルギット橋手前が折り返し地点。望遠圧縮効果でとんでもなく近く見えるが、多分実際はそうでもない…のか? こっちは電車もバスもバンバン通っていて、我々も午前中に通った。このように運が良ければ電車とのコラボも可能。

折り返しからの急降下は豪快な見せ所。

国会を経て最終地点を通過したら、聖イシュトヴァーン大聖堂(今回は時間が足りず未訪問)やハンガリー科学アカデミーを背景に上空へ。

あちらの専用観覧席もいいけど、光線状態とか見晴らしを考えるとこっちで観て正解だったかな。

しかし改めて、一緒に写ってるものが橋も建物もいちいち世界遺産だらけ。つくづくとんでもないロケーションである(褒め言葉)。

ちなみにエアレースといえば、唯一の日本人選手・室屋さんの動向も気になるところであったが、残念ながらオーバー G(飛行中の重力が規定を上回ると失格)により総合11位。

撮影は大変だったけど、なかなか楽しい観戦タイムだった。決勝は少し時間をおいてからのようなので、ちょっと散歩に行くか。

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