欧羅巴交響曲 II スオミの夏 (12) Ylioppilastalo

朝からアレのせいで大騒ぎやったねぇ。細かいコメントは控えておくが、いくら対象外地域といっても会社は普通に営業するし店もやってるし電車も動くし。日常と非日常の境目ってどの辺にあるんやろね。
まあそれはさておきヘルシンキ、木曜日もそろそろ夕方頃のこと。

おやつを済ませて、18時過ぎ。まだまだ昼のように明るい街へ再び繰り出す。

最後の宿泊日。明日もあるけど、もうちょっと電車撮っておこう。そんな我々の心境を知ってか知らずか、あっちこっちの系統からどんどん車両がやってくる。

人の往来も、老若男女問わず増えてきた。明日は夏至祭イブ。祭にかかる週末は休みをとったり帰省したり、家族で夏の訪れを祝うのがフィンランド流らしい。

中央駅から1ブロック隔てた南西の交差点。この角に、初めてなのになんだか見覚えあるような印象の建物がある。

Stockmann と大書されたこちらは百貨店。壁の煉瓦色から、つい小倉の井筒屋のような日本のデパートを連想してしまう。というか、この業態は間違いなく欧州が先行しているわけで、こっちの方が元ネタに近そう。
ついでと言っては何だが、手前の銅像は餅つきではなく「三人の鍛冶屋像」という。労働讃歌的なものらしい。

この Stockmann 前の通りがイコール繁華街で、大聖堂に通じるルートということになる。

賑わう歩道の間を電車が抜けてきた。

心地よい青空。祝祭を控えて浮き立つ人々。セールに余念がない百貨店。夏至迫る南西向きの通りは、ちょうど今だけ深く光が射し込む時間帯。

市内有数の規模を誇る店の、堂々たる威容。赤褐色の外壁には、明るい色の旧車が似合う。

通りをぶらぶら、そろそろ夕食でも考えようとしていたら、おや?

また出たビール電車(パブトラム)。日中しか走らないので、おそらくこの日の最終運行だったはず。

休暇を心待ちに歩く人たちと、きっと車内で楽しんでいるであろう人たちの、ひとときの出会い。

街のあちこちに、なんとなく喜びの空気がずっと流れているような、不思議な感覚。きっと我々には計り知れぬほど、フィンランドにおいて夏を祝うことは重要なのだろう。

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