田舎ぐらしのリアリティ (12) 卯建を掲ぐ・2
15 May 2016
先週日曜に仕込んだ塩麹。毎日混ぜ続けて1週間、いい感じに仕上がったのをいよいよ使用。ちょっと厚めの豚肉を午後から漬けて夕飯にしたところ、まあ柔らかいこと。ただ味も思ったより濃いので、付け合わせは淡白にしよう。
なわけで連休岐阜、最終日のうだつ見物の続きを。
うだつはシンプルだが、明らかに昔から商売をやっていた感が漂う。
なるほど、食料品店か。文字はすべて木製のようだ。電話番号の桁の少なさもまた古さを語っている。
で、ですね。こちら現在はカフェになっている。それならお気軽に入れそうだし、昼食代わりにケーキなど食べればちょうどいい。では失礼しまーす。
ショーウィンドウに並ぶのは確かにケーキ類。だが頭上に目をやれば、昭和の香りが濃厚に感じられるロゴ多数。きっとかつてここで扱っていた商品の数々なのであろう。昔に思いを馳せつつ、どれも魅力的なケーキに目移りしつつ、お飲み物と合わせて注文。
あらかわいい。お皿のキャンバスが春を演出。グレープフルーツを中心にしたタルト、美味しゅうございました。
そこから数軒先に、とても立派なうだつのお宅がある。
小坂家住宅。堂々の重要文化財指定。アーチ状に持ち上がった「むくり」タイプのうだつが美しい。
こちらは見ての通りの造り酒屋。酒造りも「小坂酒造」として現役で行われている。せっかくなのでちょっと入ってみよう。
すると、商品が並ぶ販売エリアの奥にはためく暖簾。中の人に伺ったところ、なんとその向こうも見学できるというではないか。それは是非。
暖簾をくぐると、昔ながらの酒造りの風景を感じさせる世界が広がっていた。
陽光を採り入れた明るい土間。
その先には年季の入った蔵。誇らしげな表彰状の数々や、伝統的製法の解説模型などが展示してある。
もちろん現役の酒造エリアにまでは入れないものの、作業する人が行き交うなど活気は感じられた。
なにより印象的だったのは、暖簾の奥全体に広がっていたどこか甘い香り。
見物させてもらったお礼に、ここで造られる銘柄「百春」をおみやげに買うことにした。選んだのは、当地ならではの直球ネーミングが目を引いた純米大吟醸「梲(うだつ)」のミニサイズ。
帰宅後早速晩酌にいただいたところ、まさに蔵と同じあの香りが。濃いのに飲みやすい、なかなかの逸品であった。
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