蒼と翠の若狭路 (1) 鯖運びの道中

こないだのケーキでシナモンシュガーを使い切ったんで、補充しようと買い物の際にスパイス棚へ。だがしかし、お手頃なのじゃなくて高級品しか売ってない。スーパーが小規模だからラインナップを絞っているのだろうか。明日以降出直そう。
さてここからは9月連休、プチおでかけの話。

当家の日帰り旅は「車のため」という場合がある。なんでも、ハイブリッドカーには2種類のバッテリーがあり、動力役「じゃない方」はエンジンをぶん回さないと充電できないらしい。とディーラーさんに言われて以来、ちょっと遠いけど日帰り可能なエリアへ車を出す企画がときどき立てられている。この日もその一環で、ちょっと遠くにやってきた。

ここは熊川宿。琵琶湖西から福井県に入ってすぐのところにある、いわゆる鯖街道の宿場町である。湖西の道中でとんでもない渋滞にハマって四苦八苦てな一幕もあったがそれはさておき、真ん中らへんの駐車場に停めて、さっそく散策へ。

さっき看板に書いてあった通り、ここもまた例の伝統的なんちゃら(重伝建)。電柱レスなのも平成期に指定を受けてからの整備であろう。

まずは海へ続く北西方向へと歩いてみる。

お食事や甘味などの飲食店もちょこちょこ軒を連ねる。直前にコンビニで昼食を済ませてきたんで、観るだけにとどめておく。

流れる水路は前川といって、街道整備に合わせて引かれたもの。今も野菜を冷やしたりできるくらいの水量を保っている。

一帯でもっとも古いのはこちらの建物で、かつて問屋であった荻野家住宅。

引き返しつつ南東方向へ進む。

1階の木製部分がなんとなく赤い。べんがら塗りといって、いろいろ効果はあるが特に雪対策が重要らしい。

街の歴史の長さは、建物本体以外にも現れている。年季が入った謎の看板に目を凝らしたら「ライオン歯磨」。ライオンってあのライオンすか。

瓦にあしらわれた「水」の文字。木造住宅の大敵は火事、火除けのおまじないかな。

突然の滋賀要素。まあ隣県まですぐですし。

街には何匹かねこが住んでいて、人間に動じるでもなく気ままに過ごしている様子。

平たかった道は途中でゆるやかな登りに転じ、折り返した旧家から 500m 近く歩いてきた。

家の数は最盛期より減ったとのことだが、この手の宿場町としてはかなりの規模で古い物件が残されている。

京へ十五里、今津へ四里半。地形を活かして最短距離で引いたという街道、そうは言っても京都まではまだまだ。海から荷揚げしたものを運ぶ立場で観れば、まだまだ序の口に過ぎなかろう。

街歩きに使える駐車場は、もっと大きなものが南東側にある。

要するに道の駅ですね。トイレも綺麗やし売店にもいろいろ売ってる。

暑かったのでちょっとひと息、スムージーをいただいて休憩してから車に戻っていく。

まだ夏が居座っていた彼岸前、多少の雲はありつつも概ね青空に恵まれたのはなによりだった。

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