山里に春来たりなば (3) 城下青し・2

結局今日も日中の半分くらい寝てしまった。二日酔いの余波なのか、それとも特にここ半年くらいあれやこれやイベントが多くて気苦労がたまっていた余波なのか。とりあえず来週に向けての支度はちゃんとできたのでよしとしよう。
では引き続き岩村の町並みぶらぶらの巻を。

山から遠ざかる形で、のんびりと進んでいく。

よく観るとバリバリ現役居住中なんだけど、一見すると現代の匂いをあまり感じさせない空気。地元の皆さんが協力して作り上げているものだろう。

古くからの家屋に、ところどころ昭和エッセンスがまぶしてあるのもまた心温まる光景。あ、旗が立ってるのは4月29日だからっす。昭和なら天皇誕生日(未だに「昭和の日」がすんなり出てこず、つい「みどりの日」と)。

ところで。さっき素通りした酒屋に入ってみよう。

目をつけた理由は2つ。去年の大河をうっかり連想させる「女城主」の引きが強かったのと、暑いから。ほら、そこにソフトクリームの立体看板が。そんなこちらのお店はその名もズバリ「岩村醸造」さん。

入ってびっくり。店内にレール!
現在は観ての通り試飲カウンターとして使われている模様だが、本来の用途はやっぱりアレでしょう。もっと奥に進んでもいいとお店の方が言うので、レール沿いに進む。

中庭でもまたびっくり。随分と水が綺麗だが、これは?
あとで寄った他の建物でも、同様に水が流れている。天正疎水といって、その名が示す通りの頃に引かれた用水路から、今もなお水が供給され続けているとのこと。

レールはさらに、立ち入るのをためらうずっと奥まで続いていた。運搬用トロッコの道筋に間違いない。

ひとしきり見学を終えたところで、涼を取るべくソフトをいただく。さらに看板の酒「女城主」もお買い上げ、その夜に実家でおいしくいただきました。
なお同店および岩村の名誉のために付け加えると、女城主とは決して後追いでもパクリでもなく、かつての岩村城主に女性がいたのが由来。ただ残念ながらこちらの城主は明確に悲劇的な末路を辿ったとのことで、それはちょっとドラマにはしにくいかもしれん。

ちなみに、ほぼ向かいにあるカステラ屋さんにも勢いでお立ち寄り。

そしてカステラ購入。昔ながらの製法で、いわゆる長崎とかの一般的なものとは食感も味もだいぶ異なるが、これはこれでなかなかの美味。

そのままさらに進み、城下町の中でもひときわ格の高そうな雰囲気の「木村邸」へ。

藩主様の覚えも大変よろしかったらしく、お財布面でかなり恵まれていたであろうことが端々からうかがえる。

そしてここにも、中庭を潤す疎水の音が静かに響いていた。

Like
Share

公開から30日以上経過した記事のコメントは締め切っております。あしからず。