蒼と翠の若狭路 (2) 喉潤しの名水

梅田に用事があったんで、ついでに他の用事をくっつける。幸いにして昼前から一気に天気が回復、歩き回るには都合よく。というよりむしろ暑いくらい。ってなんで12月も真ん中になって暑いとか言わないかんのですか。冬らしいの朝晩だけかい。
さて引き続き9月の福井ドライブから。

宿場をあとにして、そのまま西へ少々走る。小浜の手前に「涼しいスポット」があるというので、ちょっと寄っていこう。国道を外れて山の方へ分け入っていくと、ちょっとした駐車場に到着。

天徳寺というお寺の建物横を通過して進み、しばらく行けば足元は舗装路から遊歩道に、周囲は森に。

ここは瓜割の滝。ずいぶん前に名水百選の指定を受けている。なになに、名の由来は瓜が割れるほど冷たいから。勢いじゃなくて温度の方やった。

滝本体は寺の境内に含まれている。道中に鳥居が立っており、そこを通過した途端に空気が変わる。これが結界か、と感銘を受けかけるも、順序が逆かもしれないと思い当たる。滝の冷気が届く範囲までを聖域とし、その境界線に鳥居を立てたのではないか。

いずれにせよ、自然からもたらされる見えないなにかを浴びながら、さらに進むと滝の前に出た。

その手前に、誇らしげな「献水」の記録。えーと、昭和末期の皇太子両殿下ってことは、今でいう上皇両陛下ですね。この類の碑を各地で見かけたらまず確認すべきは建立年。陛下(明治)とか東宮(大正)とかあるからね。

というわけでこちらが瓜割の滝でございます。

鳥居の足元に湧水ポイントがあり、そこからこちら側の段差へ向かって流れてくる配置。湧水の真上に立てないように柵がしてあるのは、水質と聖域の両面から保護するためであろう。

滝は周囲の湧水と合流して川のようになって流れていく。小さな橋から川を眺めれば、底まで澄み切った水は実に綺麗そうで、名水の称号にもうなずける。さすがにその場で飲むことはしないまでも、さわってみるといい感じにひんやり。水が描く白糸と、岩を覆う苔の対比もまたいいものだ。

しばし時を忘れて、ひんやりした空気と青々とした景色に身を委ねる。
なお、ここで技術的な話をするのもやや不粋ではあるが、流水描写がさくっと撮れることには地味に感動した。シャッタースピード1桁でも目立った粗が出ず。最近のカメラの手ぶれ補正すごいわ。2人とも R マウントに乗り換えて以来、機材のおかげで助かる場面がちょいちょいあるのよ。

と、ひとしきり涼んだところで滝をあとにする。

ところで「2位」って言われると1位が気になるんだが。どこすか。ここに書けないのはわかるけど(秦野だそうです)。

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