La vista nostalgica ’03 (5) Pisa: Torre di Pisa

最近になって、昨年度末期以来使えていなかった定番お散歩コースが続々と復活。要は人出抑制のため休業していたスポットで、寄り道に最適なところばかり。ありがたく使う。心なしか以前より来訪者が多く見えるのは、考えることは同じってことかね。
さて大昔のイタリア旅、そろそろ残念エピソードの出番。

オプショナルツアーは HIS ではなく、それ専門ブランド「マイバス」の仕切りとなる。取り次いでくれた添乗員氏とは、前日の第1候補店を予約してもらった夕飯までしばしの別れ。

地元のバス会社 Lazzi のバス停がある、駅前に集合。マイバス以外のツアーも相乗りで、大型バスに乗り込んだ。

行き先はピサ。高速を西へ進むこと1時間と少々、目的地が近づいてきた。と、そのとき。

ぽつり。そしてバケツをひっくり返したような大雨。あちゃー。ここまでの約3日間、曇りはあれど降雨に出会わずに来たのは、どんより天気がデフォルトの秋冬欧州においてむしろラッキーだったのかもしれない。
Lazzi のバスは途中までしか入れないため、市内でシャトルバスに乗り換える必要があった。わらわらと群がる傘売りを退け、こんなこともあろうかと持参した折りたたみ傘を開いて待機。しばらく待って現れた車両にそそくさと乗り込む。

と、序盤からいろいろアレですが、なんとか到着。

これがかの有名なピサの斜塔。写真の傾き補正は一切しておりません。そりゃそうだ。
年月の経過によって傾斜がひどくなり、訪問の数年前まで傾斜具合の調整が行われていたという。調整といっても垂直にしてしまったら台無しなので「300 年前の傾き具合」。斜めでなければ単なる鐘楼であり、傾いていることそのものに価値があるから難しい。

純粋な鑑賞対象としては、隣接する大聖堂の方がだいぶ立派。

さらに、大聖堂に正対して洗礼堂という建物がある。建物間移動をするたび、雨の強弱に翻弄されるのはさておき。

建物が円筒形で、屋根がドーム状。諸々の構造に影響を受け、おもしろい現象が起きるというので、守衛氏が実演してくれる。ひとりで3回、それぞれ違う高さで発声すると、すべての声が消えずに残って重なり、1人コーラス隊の完成。なるほど。

斜塔に登ることは制度上可能だったが、今回参加したツアーの行程には入っていない。そのかわりと言ってはなんだが、洗礼堂の上層階には登ることができる。ここでフリータイムが設けられ、自分を含めて多くの人が上層へ向かう。

さっき守衛氏が実演してくれたホールを見下ろしつつ、さらに上へ。最終的に屋外の景色を望めるところまで出たものの、天気が天気なのでお察しください。

二重構造の壁の間に設けられた細い階段を行くのは、これはこれで探検のような風情もあり。

と、ひとしきり観覧終了。集合時間まで余裕がある中、この大雨に皆やる気を削られてしまったのだろう、ほとんどの人が早めに集まっていた。
唯一ギリギリに駆けてきたのは、ヴェネツィアの途中集合になかなか現れなかった杉原さん(仮)。ウフィツィ美術館ではグッズをまとめ買いし、他の人がスルーした皮革製品も最後まで購入検討していた彼女は、ここでも両手におみやげ。一言も会話しなかったから推測の域を出ないけど、彼女にとっては買い出しが主目的だったのかもしれない。

帰りのシャトルバスは、周辺道路の渋滞により、なんと1時間もの遅延。小さな折りたたみ傘の中で身を縮めながらの待機は実に長かった。この遅延により、あやうく夕飯の予約がふっとぶところだったが、添乗員氏の粘り強い交渉により無事着席。彼のおすすめ品で構成された特製コースをいただいた。疲れ切った身体に、うまい飯がしみる。

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