うるわしの迎賓館 (3) 食卓を彩る

毎年恒例、大阪府下の防災訓練デー。といっても実際に避難するわけでもなく、あいぽんがピロピロ鳴るのにぽちぽち対応するだけの簡単なお仕事。昔は防災といえば9月だったけど、今は1月も3月もあるから意識する機会増えたよね。うれしくないが。
さて迎賓館見物、後半戦もいろいろと。

3階のその他の部屋へ向かう手前に、4階へと上がる階段があった。思わずそっちへ。

4階の部屋は実質、この食堂のみ。
外がバルコニーになっていて出入りが多かったり、机に向かって来訪者ノートらしきものを読み書きする人がいたりと、無人状態での撮影なんぞとても無理。そういうのやりたかったら、せめて週末じゃなくて水曜とかにすべきか。それでも絶対誰かいるだろうけど。

正面奥には、ここにも暖炉。徹底した左右対称の装飾は、整然とした印象を受ける。

それは見上げればより顕著で、天井には随所に木を用いた装飾が大胆かつ繊細に施されている。

とりわけ隅の方に大きく描かれた模様は、木組みの美術品のよう。色のコントラストも美しく、いつまでも見ていられる。

食堂に隣接して厨房も残されている。台所としての使用はされていないが、当時の気配に思いを馳せつつ。

かつては舶来の電気製品なども並んでいたという。さすがに現存はしていないけど、この空間ならばさぞ映えたことであろう。

部屋の隅など、あちこちに施工された金具にふと目が止まる。

当時はカーテンレールやフックに明確な規格がなかったのか、それともライト氏がオリジナリティを発揮したのか。現代ではなかなかお目にかかれない独特の形状。

窓に取り付けられた蝶番も、開閉時に重なる部分の処理が今とは異なる発想で作られているようだ。建具自体が展示物みたいなもんだから勝手に動かすことはないんだけど、可動部が実際どうなるなのか観てみたい気持ちはある。

せっかく上まで来たので、もちろんバルコニーにも出てみた。

ここで外へ出られるのは、上層階の外観を細部まで観察できる機会でもある。屋根上や煙突にも抜かりなく装飾つき。軒先の石にも細かい彫りがある。
そして背面をぐるりと木立に囲まれた状態で観ると、改めていかにこの建物全体が細長い構造をしているかというのを実感。

4階にしては地面が近いのは、段々畑のように斜めに階を重ねているから。一昔前なら斜面に立地するマンションで時々見かけた構造だが、大正年間の建物であることを踏まえると相当に先進的。

そして忘れちゃいけない眺望。4階バルコニーに設けられた下り階段を進むと3階にもバルコニーがあり、建物の南端近くまで進むことができる。1階2階のビューポイントは一般開放されていないので、いいポジションで直接外の景色を望める唯一の立ち位置。
住人は飲み物などを手に、芦屋から神戸まで続く街並み、さらに海までも眺めを楽しんだことであろう。今日はちょいと視程が及ばぬところだが、想像で補う。

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