朋友のセレンディピティ (2) 法師の故事想う

そういや先日のコレの時、友人にも「そすいもち」をおすすめしておいたのだが、お会計を済ませた後で賞味期限の短さに驚かれる。あ、うん、そうなんすよ。だから他所に回すならさっさと、もしくは自分で素早く食べてね。
さて昨日書ききれなかった仁和寺の話を改めて。

さすがに所在地だけは調べてきたものの、他の寺社より予備知識がない状態での初訪問。

徒然草の「仁和寺にある法師」(中途半端な石清水詣りの話)くらいしか連想するものがなく。

この時点で13時前。心配性な友人は「ここをじっくり観ていて予定を全部こなせるのだろうか」と悩んでいたが、わたしの机上の計算では十二分に余裕と判断。ちゃんと拝観料を払って「御殿」を観ていくことにした。

まずは南庭に沿って白書院の廊下をゆく。シンプルながらも調和のとれた美しい景色。丹念に描かれた縞模様の効果だろうか、実寸よりも奥行きを感じる。

御殿の中心となる宸殿を回り込むと、北庭が現れる。こちらは一転、池を囲むように様々な緑が配された、まったく異なる趣。1つの建物からこれほどまでに違う庭を堪能できるとは、贅沢な造りだ。

常緑樹も多く、真冬にもかかわらず殺風景さは感じられない。廊下を進むにつれ、いろんな角度から楽しめるのもポイント高いね。

宸殿本体も、庭に劣らず見どころあり。

人ひとりに至るまで細密に描かれた襖絵を、身を乗り出す勢いでじっくり鑑賞する友人。

二条城ほどの徹底した金ピカではないにしろ、丁寧で惜しみのない仕事を随所に感じる。

白書院と黒書院を結ぶ廊下沿いにも、小さな中庭が。

こちらもまた印象が異なっている。やや狭い空間の表情を和らげる、一面の苔。

龍安寺もぼちぼちだったんだけど、こちらでも梅が散り始めつつまだ結構咲いてた。

それにつけても天気の移ろいやすさよ。龍安寺を出る頃には一時的に雨もぱらついていたが、晴れる時はしっかり晴れる。前日のようにガンガン降らなかっただけ、ありがたいことだ。

奥の金堂には入れなさそうなので、外観だけでも拝見しよう。

全体の大きさに圧倒されつつ、屋根のカーブの美しさも目を引く。よし、次行こか。と、引き返して中門にさしかかったちょうどその時。

ひと足早く門をくぐってきたのは、お坊さんの行列。びっくりしたー。いや、特に京都で寺巡りしてる時って「鑑賞する建物」としてしか観てないから、お坊さんがいる所って認識が超薄いんだわ。

ともあれ、もしかしてこの日一番見応えあったのはココじゃないかと個人的には思ったのであった。

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