経世済民を夢みた家 (1) 風雅を愛す
13 Sep 2015
旦那さん出勤につき、ひまになってしまった本日。そこで、ドラマの舞台(というか題材そのもの)になるなどしたことからまさに今が旬と思われるスポットに、思いつきで突撃してきたので撮って出し。思いつきで午後になってから出かけられるくらいの距離感であることはお察しください。
阪急池田駅から多少歩いた閑静(=高級)な住宅地の中に、その「家」はある。現在の名称は、小林一三記念館。氏が生前に実際住んでいた住宅をそのまま残した、国の登録文化財でもある建物。
建築としての興味もさることながら、電車やら百貨店やら常日頃お世話になりまくっている阪急民としても、以前から気になる場所であった。こういうとこに2人で行くとわたしが時間かけすぎてしまう懸念も大だったので、単独行動は結果的に正解かもしれない。
近隣施設とのセット券も存在するが、今日のところは単独入場料を払って館内へ。
まずは白梅館という展示棟へ。ドラマ2時間では到底おさまりきらなかったと思われる数々の足跡を、ジャンルごとに年表とともに振り返る。電車や家を PR するパンフの文面がやたら心動かす系なのと、沿線をモチーフにしたすごろく(ゴールは常に宝塚)がすごくいい。
住宅本体の前に、庭に寄っていこう。
庭には茶室が3つ。比較的新しい「人我亭」は現在も貸し出し制。
片隅にひっそり建つ「費隠」は展示のみだが、この名称自体、近衛首相(当時)によるものらしい。小林氏が政界にいたこともあるのはさっきまで知らなかったが、当時からの縁によるようだ。
そして圧倒的に斬新なのが「即庵」。なんと茶室なのに椅子席。正座がつらくてもお茶を楽しめるというわけですな。これだけ観ても氏の柔軟な人柄がうかがえる。
地形を活かしたのだろう、やや南に傾斜した庭は緑にあふれている。
当時からこれほどの背丈の木であったかは定かでないが、ともかく立派なものだ。
さりげなく和洋折衷が美しい2階部分。写っている辺りが何の部屋に相当するかは、この後内部見学で明らかになる。
ではそろそろ本体に行きますかね。庭を出て正面に回る。
いやー、実に美しい。2階にあしらわれた四葉っぽい文様のアクセントがすごく効いてる。
同じモチーフが玄関の頭上にも。エントランスだけ壁の素材が違うのも目を引く。
扉は開館中なので勿論開かれているが、閉じて2枚並んだときの重厚感を脳裏で想像。取っ手をそっと持ち上げてみると、見た目通りずっしりと重い感触。
そして入った真正面。真ん中に立って撮ると自分が写るのでやめたが、客人を迎える最初の空間にふさわしい風格が漂う。この右にある扉を開けば、いよいよ館内へ。
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