欧羅巴円舞曲 I ブダペストの空 (34) Közvágóhíd

SNS が高機能になるにつれ「余計なお世話」が増えるのはもはや風物詩。しかし、勝手に「知り合いかも」機能ほど余計なもんはないなぁ。特に青いとこはマイ基準が明確にあるので、そこんとこの判断は個人の裁量に任せていただきたいわけで。
まあそれはさておき、欧州旅4日めの電車おっかけもそろそろ終盤。

HÉV で1駅、Müpa-Nemzeti Színház というところで下車。

て、柵とかそういうのは一切ないんすね。一応ホームは一段高いものの、すぐ隣のちゃり道と歩道に一瞬で簡単アクセス。ゆるいなぁ。
駅名由来はどうやら奥のアーチ状屋根の建物。国立劇場らしい(どこの国にもあるもんだなぁ)。手前のしかくい建物は現代美術館。いまどきの箱モノを作る余裕があるくらいには、郊外ということか。

乗車した駅の近くにあった橋が結構遠くに見える。駅構造こそゆるゆるだが、駅間はそれなりに長いようで。前日に鎖橋から運休区間を歩いた道より、もうちょっと距離がありそうだ。

でだ。徒歩圏内に電停があるはずなのだが、見当たらん。駅のそばに架かった橋からは、そのまま内陸へ向かって伸びる築堤。だが高さがありすぎて、上部をうかがうことはできない。
とりあえず築堤沿いに歩くことしばし。旦那さんが、あやしげな通路を発見。

案内もなにも出ていない、やや暗い通路。一見行き止まりに見える奥から薄明かり。おそるおそる進んでみると、頭上から聴き覚えのあるモーターの音。あー、そういうことか。

築堤上は広い車道になっていて、その中央部に電停。通路はそこへのアプローチだった。
Közvágóhíd という、この電停名。初見で「橋かな?」と思いきや、橋の名は Rákóczi híd。あとで調べ直したところ、かつて食肉処理場(=Közvágóhíd)があったことが判明。当電停から東へ少々、車道の北側に位置していた模様。

そしてさっきも通った環状道路。車も1番の電車も一緒にぐるりと市街を回り込む。
さらに橋の周辺では MÁV の線路も並行して走り、ともにドナウを渡る。時折 Railjet が通ったり、重そうな貨物が通ったり。観ての通りの環境なんで、あっちは撮影にあまり適さないが。

その橋、Rákóczi híd がなかなか特徴的な形状をしている。せっかくここまで来たので、ちょっと撮影。

帆を畳んだマストが何本も並び立っているような T 字の柱。90年代にできただけのことはある、現代的というか斬新というか。

電車の撮影地としては若干苦しい部分もありつつ、現代的な景色に現代的な電車の組み合わせがよく観られるのは1番沿線くらいだな、と改めて思う。昔ながらの街並みにレトロ感ある車両が行き交う中心部とは、また違う味わい。

ひととおり堪能したところで、中心部に戻ろう。今度は別路線を選択。

電停名としては同一だが、築堤から下りて大通りと交わるところに別途のりばがある。こちらは2番などの折り返し地点。

奥の電車が先発のようなので、あちらに乗っていく。

旧世代の車両では、車内の表示器も特徴的。表示内容を変更するとき、このてんてんが左から順番に軽やかな音を立てながら反転する。磁気かなんかで制御してるんかね。デジタルだけどアナログ。パタパタと LED の狭間に消えた、味わい深いテクノロジー。
ついでに年月日の表記順が日本と一緒で驚いた(ヨーロッパ標準はもちろん「dd.mm.yyyy」)。そんなとこまで似るか。

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