遅れてきた避暑地 (5) 幸福を愛す

金曜夕方から土曜の朝と立て続けにイベントへ出動。10月はそういう時期なのでいざ参加しようとすると忙しくなるのは自明とはいえ、体力的にはあとから疲れが出たりするもんで。今日は昼寝も交えてゆっくりしておりました。ふぅ。
さてなかなか進まない北海道旅、2日め午後のお話。

食後、いったん帯広の中心部を出て南へ。国鉄末期に廃止された旧広尾線沿線。「もと駅舎」がいくつか残る中、著名なものが2つ。

昭和で時を止めたにしては綺麗な外観。市によって記念館として保存されているらしい。

ここは愛国駅、そして少し先に幸福駅。この2駅を表記したきっぷがかつて一斉を風靡したことは、世代じゃない我々でも知っている。

記念館というだけあって、現役時代のいろんなアイテムや写真などが展示してある。

駅舎のみならずホームも、おそらくほぼ当時に近い形で現存。

さすがに看板類は塗り直したりもしているだろうけど、用途は今とそう変わっていなさそう。

線路もちょっとだけ残してある(理由は後述)。

周囲は公園。「駅」全体が公園の一部に取り込まれるような形ともいえる。

そして、ここが駅だったことを物語る重要な証人がもうひとつ。

19671 号機。古い世代の SL は付番にクセがあってわかりにくいな。通し番号が下2桁で収まらなくなって先頭につけるアクロバティック解決策が取られている時代の方式。えーと、9600 形の 171 番ね。なるほど。

SL 最末期まで幅広く使われていた形式だから、実際にここを走ったこともありそう。

定期的にお手入れがされているのか、屋外保存にしてはかなり綺麗に保たれている。

駅の存在は知っていても保存車両まではノーチェックだったので、思わぬ収穫。

でだ。ここまで来たらもう一歩。

当時で2駅、車でも15分くらいで着く。

幸福駅。こちらにも保存車両があり、旅客2両に事業用車両まで置いてある。

2両ともキハ22形。北海道用の寒冷地仕様で作られた形式のようだ。

見方によっては、まるで現役路線かのような錯覚すら覚える。もちろん現役なら線路がこんなノーガードなわけはないが。

ホームに面して置かれた1両は車内に入ることもできる。国鉄の風情がそのまま残る(そりゃそうだ)。

愛国駅との大きな違いは駅周辺にあった。

まあこういう記念撮影スポットはあるものとしてもですね。

今ある「駅舎」は、かつての建材を一部再利用して建て替えたもの。

もっぱら「来訪記念に『大きいきっぷ状メッセージカード』を貼る場所」となっている模様。そのカードはどう入手するかというと、

すぐ裏で売っている。売店複数。なんなら「今日の日付が入った硬券」まである。いうまでもなく「愛国から幸福ゆき」と書かれたアレ、昭和後期に大ブームを巻き起こしたと言われている表記そのまんま。せっかくなので我々も記念にお買い上げ。

愛国と同様に公園として保存されている中、大きな違いがあった。明らかに幸福の方が観光地としてガッツリ整備されている。

まああれだ、縁起かつぎワードとして一般受けすんのは幸福ですわね。駐車場が観光バス対応になってる時点でいろいろ察しがつく。

あとは団体さんにおまかせするとしよう。しばしのくつろぎタイムを堪能して、当家は中心部へ戻る。

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