遅れてきた避暑地 (6) 重荷を曳く

なんやかんや忙しくしてる間に、さすがにだいぶ気温も下がってまいりまして、布団は1段階あったかくなるし、買い物に羽織り物も欠かせないし。でもまだ全然タートルネックとかいらん感じ。10月下旬って例年もっと寒かったよねぇ。
さて9月北海道旅は帯広のメインイベントへ。

名所めぐりの後、改めて市の中心部へ。帯広で事前に「これだけは観よう」と決めてあったスポットに向かった。

ばんえい競馬。競馬場は数あれど、ここでしかやっていない特殊な形態の競争である。

場内展示からもわかる最大の特徴。金属製のそり(とそれに乗った騎手)を馬がひっぱって進む。つまり、通常の競馬より遥かに馬力を必要とするルール。なので、ここの馬はこれ専用の種で「ばん馬」と呼ばれる。

まず観客席に出てみた。地面からいきなりひな段。ゆるいな。レースの特徴(後述)もあって、のんびり観れそう。でもせっかく観るなら「目的」を持って観たいじゃないですか。そこで、

馬券を買ってみた。まさかの「人生初の馬券がばんえい」。仁川ですら買わんかったのに。それは買い方がわからんかったからなのだが、当会場には「ビギナーコーナー」なるカウンターがあり、馬券の種類や初心者におすすめのコースなどを丁寧に教えてくれる。
えっ、なんでその馬にしたかって? 名前です。隙あらばヲタしぐさを発揮するスタイル。倍率も低めやったし(言い訳)。

てことで、第3レースを観戦。ひな壇に陣取って、いざ出走。

コースは直線、200m。ただし、序盤と後半に坂(障害)が2つ。しばし曳いては止まる馬たち、頃合いを見計らって鞭を入れる騎手。

見せ場は第2障害。人の背丈ほどもある坂を懸命に登ってくる。そりゃ応援の声も飛びますわ。いろんな意味で。

ようやく登りきったら下り、これも楽ではなさそうね。

こんな調子なんで、観客の動きも独特。馬たちの進みを歩いて追いかけることができる。

そしてあのへんがゴール。普通の競馬と同様、3着までに入ると何かしら入賞扱いとなる。…おや?

自分のワイド馬券ははずれたが、複勝で買った旦那さんが見事的中。1人あたり 1,000 円ずつ買った券、旦那さんの払戻額は 700 円となった。お見事。

1つのレースが終わると、次のレースに向けての準備が始まる。

障害の坂は砂利を均して平坦に。重機も出してたけど、基本的には人力の地道な作業。

曳いてきたそりの重量は数百 kg(レースによって異なる)。どうやってスタート地点へ運ぶのかと思って観ていたら、コース横に線路が敷いてあり、そりを数珠繋ぎにしてトラクターでひっぱって返却されていた。へぇ。

一方、馬と騎手も準備中。パドックを覗きに行くと、女性の方を発見。そうだ、我々も準備しよう。

さっき当たった分の全額で、新しい馬券を買ってきた。なお余談だが、各レースの名称はお金で買えるため、実にいろんな名前がついていた。推しを布教する感じの回もいくつか見かけたな。

望遠につけかえて、迎えた第4レース。

障害を越えてくる姿のなんと勇ましいことか。がっしりした脚、筋肉の盛り上がりが目を引く。

いち早く先頭の馬が坂を下っていく。

普通の競馬と異なり、ゴールの判定は「そりの最後尾がゴールライン通過」。障害越えが早くとも最後まで気が抜けない。

あれ? 先行の2頭に気を取られている間に、2番がだいぶ巻き返しているぞ。どうなる着順。

結果、3位に入りました。1着と3着の組み合わせ、なんとまたしても的中。1,550 円になりました。2,000 円買って払い戻し合計が 2,250 円。黒字だよ! これがビギナーズラックってやつか!
このいいお天気の中、場内でペットボトルを2本買ったので、勝ち越しの 250 円は綺麗さっぱり麦茶に消えた。

こうして当家初の「馬券を買って楽しむ競馬場体験」は無事終了。

レースは夜まで開催される。この後も多くの人が楽しんでいったことだろう。

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