信濃路は山の中 (6) 廃車語る
30 Apr 2014
工事現場の作業音がうるさいのは、そういうもんなのであまり気にしない。が、休憩中の話し声になると俄然やかましく感じる不思議。受け止め方次第なのかね。
さて信州ですが、奈良井宿のおまけとして建物主体じゃない話を。
この界隈では、線路と旧中山道が並行している。散策中にも時折、踏切音や走行音が聴こえる。
駅前は実質的に宿場町の北端であり、目の前の道をそのまま進めばすぐ古い町並みに入る。ということもあって、駅舎は町と合わせた和風の建物になっていた。もっとも、我々のように車での訪問者が大半のようではあるが。
車は線路南側の無料駐車場に停めた。その駐車場のすぐそばに、古そうな車両が。町歩きの前にちょっと観察してみよう。
はて、なんだろうこのすばらしく年季の入ったものは。どっちかっつーと放置されてる感。
まるで模型のような、とても小さな機関車が1両。
そして客車。と、ここで旦那さんが「王営」の文字に気づく。もしかして、王滝村?
どうやらこれは、奈良井からさほど遠くない王滝村で木材運搬に供されていた模様。王営とは王滝営林署の略のようだ。我々が生まれる前に廃止されてしまった森林鉄道のことは知らなかったが、村の名前だけはきっと長野県西部地震のニュースで幼いなりに記憶していたのだろう。
最後尾にはいかにも木材を積めそうな貨車も続いていた。実際の運搬風景は観たことないけど、それを偲ばせる一品に往時を想像したひととき。
余談だが、車両が飾ってあるすぐ隣にはカフェがあった。
この時点でたいしておなかも空いていなかったのでスルーしたら、町を巡って戻った頃には完全に閉店していた。やっぱり奈良井の夜は早い。
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