実録・おひとり様物語 奔走編 (3) 無謀な昼
6 May 2008
いやー、今回は過去2番目くらいに(1番は苗場)物理的にハードやったわー。移動距離&時間もめちゃくちゃだが、3日連続で酒が入ったのって何年ぶりだか判らない。5日朝、何度も起き上がろうとしてどうしても身体が動かなかった。要するに、体力もだが歳を考えろと。そういうことすか。
さて、ではそこまでハードになった多分最大の原因について。
4日、07:50。
わたしは東京駅にいた。目の前には700系が1本。のぞみではなく、ひかり。
前夜も宿への帰還が25時近かったにも関わらず、6時半起床を死守したのは、この 363A をえきねっとで押さえるためだった。悪天候で見送った3日は完全売り切れだったが、4日は窓側を取る余裕があったのが、疲れを解消しきっていなかった身には極めてありがたい話だった。
10分少々で、ひかりは隣の N より一足先に出発した。わたしが降りる静岡で、N が横をすり抜けていくのだろう。
静岡までは基本、寝て過ごした。到着後、迷わず乗り換えではなく出口へ。きっぷ売り場の窓口で、まずやるべきことがあった。
「『休日乗り放題きっぷ』って、こちらでよろしいですか?」
18シーズンでない今回、なんとかお得で楽に乗り降りする手段はないかと調べて、出てきた答えがそれだった。静岡地区の東海道線を中心に、土日と年末年始にだけ使えるフリー券。今回の行程から運賃を計算し、その合計が乗り放題きっぷの販売価格をかろうじて超えたのを確認して購入決定。
窓口のおねえさんが、合計4枚をホッチキスで留めて渡してくれた。後ろ2枚、観光施設優待券は今回使わないけれど。
乗るべき鈍行には少し間があった。南口でちょっと朝日をもろに浴びて目を覚ます。昼食のおにぎりとお茶を買ったら出発だ。
やってきた電車は3両。ちなみに今回、東海管轄で乗った車両は全部3両だった。これで40分先の菊川を目指す間も、抜かりなく休息。これからの散歩に備えて。
掛川のひとつ手前、菊川は小さな駅だった。複数のサイトを参考に作った地図を頼りに、すいすい進む。陽射しが暑い。つまり好天ということだ。それはそれで好都合。
終始のどかな風景の中を、汗だくで歩くこと25分。
そこは茶畑。多分富士山麓と並ぶ、東海道の著名撮影地。
撮りやすいポイントのことをお立ち台と呼ぶそうだが、まさにその言葉がぴったりの高台。そこには既に、10人ほどの先客がいた。駅以外でこんなにたくさんの同業者さんに会うのは初めて。連休だし、八十八夜過ぎて間もないから緑も鮮やかだし、此処は今がハイシーズンなのだろう。
わたしより高いところに陣取っていた人に、話しかけられた。やはりまだまだ珍しいのだろうか。彼は日焼けを心配してくれたが、3日でこの晴天だったら確かに焼けただろうな。この日は20分くらいしか居られないことが判っていたので、まあ大丈夫だろう。
むしろ、わたしの撮影技術が断然未熟な方が大問題だ。えぇまた失敗しましたよ。
いや、ほら、700や300と同じタイミングで押すと鼻が切れると思ったのよ。だからちょっと早めに押そうと思ったら早すぎたと。完全に伊吹山と同じ轍を踏んでいる。だいたい、500が来ると思ったらどきどきして落ち着けてないし。主にその「失敗できない」って緊張が失敗のもとか。
なわけで、いい感じの位置で撮れたのは適当に練習したはずの300だけでしたという話。
まあこれはこれで、先は長くないと言われているし。とにかく、どの形式でもこの位置で止められるようになりたいわ。ピント合わせはその次の課題。
3日だったら臨時便もあったからもう少しいられたのだが、それもないし後の予定もあるしで、6A 通過後にそそくさと移動。
富士山が見えないのは百も承知で、せめて練習くらいにはなるだろう、と富士川に再訪。これが4日に回れる最善のコースだったから。しかーし。
先頭は完全に逃した。最後尾狙いでかろうじてロゴのようなものが見えるだけ、前回よりまし。なんかもう低レベルな比較で恥ずかしい限りだが。
とにかくね、速いんだよ通過速度が! 線路際という意味では茶畑とさほど違わない距離のはずなのだが、それにしては全然捕らえられない。何故だ。やはりコンデジの限界か。まともに連射できるデジイチ買ってこいってか。でも重いんだよなぁ…。
これで、この日撮れる500は終了。それよりもう東京へ戻る時間だ。帰りもひかりなら速いのだろうが、在来線でもぎりぎり間に合う。だからこそ、在来線限定の休日きっぷを買ったわけで。
沼津まで。沼津始発で熱海まで。熱海始発で品川まで。細かく乗り継ぐが、最後だけが1時間越え。今はできるだけ楽な手段をとりたい。足を休ませてあげないと。
ふと、思い出した。熱海以東、東日本エリアにグリーン車設定があることを。
乗り換え階段を駆け上がり、ホームの端末に Suica をぴっ。そして悠々と2階へ進み、右列最後尾の窓際をいただいた。
そして説明書きに従い、頭上のセンサーにぴっ。
するとランプが青に変わり、車内改札スルーのお気楽旅の始まりとなる次第。
ロングシート祭りから解放された気持ち良さは、替え難いものがあった。後ろに誰もいないからリクライニング放題。隣に人が来るほど混んでないから靴脱いでも平気。頭上でカーブした大きな窓からは、海もよく見える。
なにこの素晴らしい環境。750円が果てしなく安く感じた。おかげさまで、車中の90分少々で相当回復することができた。
とはいえ、静岡日帰りのきつさを身をもって立証する羽目になったのも、紛れもない事実。車を運転できれば別の意味で楽なのかもしれないが、それでもなんとなく電車移動を好みそうな自分がいるのがちょっと不思議。
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