ラスト・クリスマスの前に (3) 魅惑の一瞬

少し仕事が忙しくなってきた。水曜午後とか金曜とかスケジュールに穴の空く日が多いので、それ以外の時間にきっちり進めて行かんとね。さて岳南見物の巻だが、今回こんなタイトルになったのは今日の話が根拠。

比奈は旅客電車の交換ポイントでもあった。同じ顔した2本が仲良く行き違う。

が、同業さんの大半はそれどころではなかった模様。11時半頃から作業、という声が先程聴こえており、皆様機関車撮影に余念がない。うちらもそっちへ頭をシフトする。

先に動いたのは 501 の方だった。作業員さんをちょこんと端に乗せてバック。構内から出るか出ないかのところまで遠ざかると、

ポイントを渡って前進。JR のコンテナを載せたコキがいくつか停まっている辺りをそのまま通過して消えた。

と思ったら。

別のコキ2両をくっつけて再登場。端に乗っかったまま指示を出す作業員さんの挙動が、やたらかっこよく見える。そして先程と同様に折り返し、

今度は側線に入る。そのままじわじわとバックして、

停まっていたコキにくっつけた。これで合計5両だが、見通しがきかないおかげで、このちっちゃいベテランが長大編成を曵いているようにも錯覚できちゃう。
運転士さんが降りた 501 は、また時折コンプレッサーを鳴らす程度。しばらく動かす様子はなさそう。

すると、今度は 402 が作業員さんを載せて吉原方へ。戻ってくるのを待っていると、

こちらが曵いてきたのはワム。一旦半端なところで停まり、少しバックしてまた出てくる。

久々に観る、ワムを曵く岳南の機関車。
しかし、本当の見せ場はこの後だった。だいぶ我々の後方まで進んだ 402 が停止し、そしてバック。次の瞬間。

402 は素早く停車。ワムの2両目以降「だけ」がするするとレール上を進み、ポイントを渡って奥の側線へ。
…こ、これが突放というものか!

生まれてこのかた一度も観たことがなかった突放。馴染みがあったのは、コキによく書かれている「突放禁止」の文字ばかり。
岳南はその突放を日常的にやっていることで有名、というのは後から知ったことだが、百聞は一見に如かずとはまさにこのこと。あまりの鮮やかな一連の作業に完全に見とれてしまい、おもしろさが全然写真に残せていないのが惜しまれるところ。でもこれは撮るなら動画やな。
帰宅後、ネットに転がっている突放動画を観まくってにやにやしていたのは秘密。

と、そんな後日談はさておき。

突放を終えた 402 は、ワム1両をくっつけたまま静かになった。

岳のマークが字体の癖で「缶」に見えるなぁ、などと些細なことを思いつつ、次の電車を待って移動することにした。

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