山とアプトと機関銃 (1) 斜面をつたう

機会があってローカル開発環境にまたちょっと手を入れる。仕事でやった設定がここのカスタマイズに役立つこともあるし、逆もまた然り。せっかく得た知識は有効利用したいものだ。
さてここからは、11月中旬の日帰り撮影からたっぷりと。

未明の出発。日の出後すぐに立ち寄った足柄は大変冷え込んでいた。

SA のある一帯と奥の山との間には濃霧が立ち込め、なんともいえない幻想的な雰囲気を醸し出していたが、そんなことより寒いっす。

富士は見事に冠雪していた。南側の雪は降ってもわりとすぐ解けちゃうので、悪天候の翌日に晴れたからこその勇姿。

新東名をひた走り、着いたところは静岡の山奥。まもなく、日本の現役路線としては唯一のアレがやってくる。山間にこだます汽笛。

と、そこへ保線さん登場。何故このタイミング。まぁ仕方ない、現場の方にも一緒に写っていただきましょう。

現れた列車は想像していたよりも圧倒的に長かった。秋の観光シーズンだからか、なんと5両もの客車。そしてそれを押す2両の「特別な」機関車。

ここは大井川鉄道の井川線。特にこのアプトいちしろ〜長島ダムの2駅間は、いまや国内ではここにしかないアプト式である。もともとは旦那さんのリクエストだが、オンリーワンな路線は大好物。我々のノリノリっぷりは機材に現れていた。

微妙に色合いや解像具合が違うのがおわかりいただけるかどうかは定かでないが、原寸だと結構違うっす。
現場でとっちらかるかもという懸念から、これまで封印してきた「1人2台体制」。なんだかんだで現在の当家には一眼が4台あるため可能になった技である。それぞれ、センサーサイズの特性に合わせて望遠用と広角用にあらかじめレンズを装備。その結果、わたしの場合は前者が 40D、後者が 5D2 となった次第。

遠ざかる列車に合わせ、その都度機材を持ち替えながらの撮影。

と、最初の1本を見送ったところで重大なことに気づく。カメラの時計同期させんの忘れてた…。なんと12分もの誤差。とりあえずその場で分だけは合わせたものの、結局30秒以上ずれたままだったので現像が大変面倒だったのは秘密。
まあそれはさておき、上の駅で列車は上下交換。今度は坂を下ってくるほうに機関車がついて戻ってくる。

山を回り込むように走ってくるのを観ていると、なんだか模型のよう。

あえて似たような写真を 5D2 側から選んでみた。3枚上のと比べてみると、あー。まあそりゃ2桁機と1桁機一緒にしたら怒られますよね。

険しい斜面を切り開いて作られた路線であることは、厳重な斜面保護やロックシェッドからも窺える。だいたいこれ遠近法というよりはひたすら坂やし。この記事の写真にある区間、概ね90‰。ひえー。そりゃラックレールつけるわ。

前日の雨で濁っている川を、赤い列車が渡っていく。

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