神在月の陰陽路 (13) 駆ける大蛇・2

寒っ! いきなりがくんと来たねぇ。夕方出かけるときの服装にはよりいっそう気をつけないと。皆様も風邪などひきませぬよう。
さて秋旅3日目、いよいよ奥出雲おろち号乗車の巻。

着席する前に、機関車との連結部分まで行ってみた。

もはや DE 何形なのかさっぱりわからなくなっているが、彼(?)の本業はラッセル車。除雪する時ここにいろいろくっつけるため、夏期はこのようになっている模様。

連結側の車両は、トロッコではなく普通の客車。あまりにも天候がアレな時を想定しているそうだが、アレな事態にならないことを祈るばかりである。

ではトロッコ車に移動しますかね。

座席はオール木造。明るめのブラウンが目を引く。雨天にも関わらず、前方には保育園だか幼稚園だかの御一行様。あとは2、3人単位の個人客が複数組。

当列車の座席は、一般的な指定席と付番法則がちょっと違う。通路を跨いだ横列ではなく、2人ずつ向かい合わせのこのボックス単位で数字、そしてボックス内で A〜D が振られている。写真でいうと左奥:10A、左手前:10B、右手前:10C、右奥:10D。
指定券をとる際、この法則が最初よく判らず、みどりの窓口の係員さんが出してきた「中の人用座席解説本」を一緒に覗き込んでようやく把握。往路は2人とも窓際、復路は2人とも進行方向を向いて並ぶ配置でお願いした。

ほどなくして発車。冷たい雨をものともせず、木次駅員さんたちが総出で手を振ってくれた。

「奥」出雲というだけあって、車窓は圧倒的に緑が多い。
ちらほらと点在する集落を眺めつつ、トロッコ故に当然窓ガラスなどないため容赦なく吹き付ける雨に身を震わせる。幸い隣の人がいなかったので、通路側に座り、ボックス毎に配布されたタオルでせっせと椅子を拭きつつ、日登駅から乗り込んできた車販さんのプリンを買っておいしくいただく。

序盤の名物のひとつが、ながーい下久野トンネル。

車内の雰囲気も一転。上方に描かれた星座がほのかに光る。

とっても長いので通過に4分程度かかる。その間にレンズをつけかえるのも余裕。

ちょうど車両の中央付近の天井に、おろちが1匹。しばらく観ていたらじわりと色が変わった。

トンネルを出てしばらく行ったところに、出雲八代駅。ここでちょっとしたイベントに出会った。

近隣にある布勢幼稚園の子たちがホームにずらりと並び、何かの歌を一生懸命歌ってくれた。ほほえましく眺めていたところ、最後に乗客に向かってじゃんけんぽん。勝った負けたと一喜一憂。記念に1枚撮らせていただいたが、みんないい笑顔していた。

そんな1コマも挟みつつ、列車はさらに奥へと登り続ける。

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