Review – 小室哲哉 : Digitalian is eating breakfast 3 / 2013.03.06

たいへん遅くなりましたが、今日はこちらの感想を。2枚目はライブ音源なので、アルバム本体にあたる1枚目について。
今回どこで買おうか悩んでいたところ、mu-mo 限定特典(ライブ収録1曲追加)に気づいて急いで注文。発注が遅かったもんで翌日配送になったのだが、そもそも仕事が詰まりすぎていて数日間開封すらできず。ようやく落ち着いた隙を見計らって存分に鑑賞することができたわけで。

1. WATCH the MUSIC feat. Capitol A, Alain Clark
低音の効いたラップと、きりっとしたボーカル&コーラスが交錯する展開。オープニングのチョイスとしてはかなり意外。trf の先日の同名アルバムとは曲構造的には関係なさそうだが、テーマは同じ方向かと。

2. Piece Electro
純然たるインストだが、全編の起伏に富んだ展開から漂うめくるめく物語性がたまらん。歌モノならサビにあたるであろうリード音に「ザ・小室進行」を感じてにやにやしてみたり。

3. Drive feat. Saffron Le Bon
旋律の豊かさ、リズムや音選びに、洋楽全般的に輝いていたと思われる 80’s の空気がそこはかとなく。ボーカルさんがデュランデュランの人の娘であることは影響しているのだろうか。

4. Now1 -TK Remix-
先行配信曲(感想書いてないけど当然購入済)のだいぶいじったバージョン。配信版から一転、ソリッドでディープな世界に。正直とても同曲とは思えない。むしろこっちの方がええわー。

5. The Generation feat. ZEEBRA, DABO, SIMON
まずそもそも ZEEBRA と組んだ時点で意外性大だが、それよりここに来て初めて日本語(てか、この曲以外日本語なし)。それくらい先生の今の意識は世界に向いているということかも。サビの明るい音遣いがいいね。

6. Human Illumination feat. Silvio Anastacio
いまどきのエレクトロにワールドミュージックを混ぜる。案外合うもんやね。むしろ妙に心地よい。trf でかつて通ったトライバルの道と大筋でつながっている感も。

7. Golden Highway feat. Miss Pooja, U-zhaan
同様にワールドワイド路線だが、こちらはオリエンタル方向。独特の節回しをもつボーカル部分は音色のひとつとして聴くのがしっくりくる。

8. Don’t Stop Us Dancing feat. IAMX
ダンサブルなバックトラックに、どこかアンニュイな空気のボーカル。EUROGROOVE の現代版って考えるとものすごい納得。

9. Now1 -Album Mix-
先行曲のだいたいオリジナルに近い版。戦いの前の一種厳かな気配あり、勝利を感じるゴージャスな雰囲気もあり。競馬番組と言われると確かにそんな感じ。

総評:
どっちかというと自由奔放に作ったように思えるサウンドを縦糸として、洋の東西を問わぬシンボリックなボーカルを横糸に織り込んだ構成。これはある種の世界一周旅行なんではなかろうか。
巷では賛否両論あると聴いているが、個人的には大いに楽しませていただきました。「2」の単なる延長線上かと思ったらとんでもない。2年前よりさらに攻めの姿勢が強く感じられて、わくわくというかテンション上がるね。こういうものは小室サウンドに対して一定の狭いイメージ(特に全盛期のあれやこれや)を持っている人にこそ聴いてほしい。

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