Report – Tetsuya Komuro HIT FACTORY #1 @ ビルボードライブ大阪 / 2022.01.08
9 Jan 2022
なんと4年超ぶりのフィジカルライブ参戦。最終は17年末の弁天町ディナーショーで、直後にアレ。発表後の PANDORA が取れずに涙を飲んだのが、くしくも今回の会場であった。先生的にも4年越しという意識はお持ちだったと MC から推察されるところ。そんなわけで、先行予約玉砕からの一般枠でもぎとった昼公演の貴重な1席を堪能してきたお話。
前置きと総評
序盤の MC で明確に言及されていたのが「少なくとも大阪公演のセトリは昨秋の東京と酷似」という点。実際、配信された最終公演と大半の曲がかぶっている(以下「*」を付した曲が、21年11月東京公演 “Rebooting 1.0” からの継承枠)。ただですね、東京チケ取れなくて配信の恩恵にあずかった上で言うけど、やっぱ現場の音圧・振動と空気があってなんぼですわ。昨今のあれこれを経て、めっちゃ久々の有観客ライブはずっしり来た。演奏のスムーズさも昨秋より明らかに上がってたし。
加えて場所が場所だけに、4年前に味わった思い、その後の先生復帰までは「現在進行形の音楽」に対する興味もろとも失っていたことも含めて、いろいろと昇華された感がとても強い。そういう意味でもこの会場でよかった。
本編
昨秋同様、演者は本当に先生ひとりだけ。昼公演は16:33開演、17:45終演。
最近の配信でもよく使ってる機材が並んでいた。先生の出入りは入退場ともに、ステージ上手側の奥(上写真の非常口ランプ付近)を使用。
01. Traffic Jam *
MC 前だがこの時点でセトリの件をだいたい察した。ピアノ弾く顔が観たくて上手側に陣取ったところ、楽譜で多少見切れると判明。たまに先生の背筋が伸びたり天井を仰いでるときなどは顔も拝見できる。衣装は11月と同じ赤黒かな。
MC.
「3年ぶりに戻ってこれました」正確には4年だろうけどそれはさておき、昨今の情勢を踏まえると「早くやっといた方がいい」雰囲気を感じたので「1/8でよかった」それは観客も同感です。
昨秋公演の際、本来なら「大阪にも来たかった」ということで、本日のセトリは同公演準拠。MC など細かい違いから「お得感」を味わってほしい模様。
02. My Kick Heart *
15〜17年のディナーショーでも定番だった PianoBar 使用。1箇所ちょっとだけ詰まったのはご愛嬌。
MC.
次曲のフリ。秋のミュージカル再演で「(本家モーツァルトに)案外負けてない」てのは昨秋も言ってたかな。関西向け追加要素として「大阪にもモーツァルトがいる」はどうしても言いたかったんすね。
03. マドモアゼル・モーツァルト組曲 *
テーマ→Epitaph→Love、からのデイドリーム(歌唱あり)。前半はシンセ2台で重厚に、後半はピアノで流麗に。「君に会える」前後のキーが高くて声が出ないと言ってたけど、同じキーでも他の箇所はちゃんと出てた。締めにおまけのトルコ行進曲。
MC.
次曲の制作時期は先生の中で「休んでたとき」に含まれるようです。
04. Route 246
05. SWEET 19 BLUES *
いずれも20年父母ヶ浜イベントのショートバージョンに近い内容。ラストで他曲を混ぜてくるのが特徴で、前者はげわい、後者は CAN YOU CELEBRATE? がちらり。ピアノのジャズみが増したように感じられたのは、最近の作風が影響してそう。
MC.
TM 再起動に言及。「TM らしいストーリー仕立ての独特な配信ができている」という自負はあるらしい。観てる方にもあるよ。
からの次曲予告というか「アナザースカイでロンドンに行ったら、80年代の留学時に住んでた家があった」と思い出話。情勢変化による番組終了を惜しんでおられた。
06. 組曲 CAROL *
A Day→Carol I→Just One。中盤ピアノで、それ以外はシンセの太い音がよく響く。
MC.
N 期に使用していた開演ベルがわりの効果音を再現。ついでに「two でもやってた」TIME TO COUNT DOWN のイントロをちょい弾き。当時と違って今は「コンプラがあるのでシンセを壊してはいけない」そうです。ほんまかいな。
んで次曲の話へ。DIVE とどっちにするかって定番ネタから「東京公演で歌ってみたけど『城壁』の声が出ない、かといってキーを-2すると鍵盤が難しい」のエクスキューズまで。
07. RUNNING TO HORIZON 206 Mix *
「歌いたいところだけ歌うので、あとは皆さん心の中で」と言ったわりには結構歌ってくれたよ。確かに A メロは「午前2時」までだったけど、少なくとも B メロは1・2番ともに全部、サビも後半ほどボーカル率が上がって2番以降はほぼ全部。歌いたいところが多くてなによりです。
MC.
「ついに(ピアノにセットしてある)譜面がなくなった」ところで最後の曲と悟る観客。有観客とはいえ「声を出せない」ことには変わりなく、「アレ弾いてとかアレ弾いてないとか」のレスポンスがないことを残念がる先生。「紙で出しますか」ってまさかのアナログ提案も。
08. Feel Like dance/My Revolution/SEVEN DAYS WAR/NEVER END/DEPARTURES/WOW WAR TONIGHT/CAN YOU CELEBRATE?
PianoBar の重ねもなくピアノ1本で、「思い入れの深い曲」を連ねて。ぐろーぶ2曲はせめてものサービスだろうし、ひときわ売れた後半曲もわかる。サミット曲の登場率高いのは、首相(当時)からの依頼だったことも大きいのだろうか。打鍵の数が総じて多く、手元は見えないまでも演奏の滑らかさに聴き入った。
終了後、「まだ頭に浮かんだ曲もあるけど」と名残惜しげにしつつも、2公演制ゆえにアンコールはなし。さっき鳴らした N 期の開演音で(終演なのに)場内を笑わせつつの退場となった。
会場について
今回がビルボード初利用。一般的なライブ会場と比べると、いろいろシステムが特殊やね。総合すると現地ではたいへん快適でありまして、これに慣れたら普通のライブがつらそうですらある。予定されている他公演の対象年齢が高めなのも納得。
- 整理番号の取得と利用
- 一般プレイガイドで自由席購入の場合、ビルボードに直接電話の上、入場に必須の「整理番号」をゲットする必要がある。またこの電話がつながらないんだな。平日10時にチケ確保、12時から電話窓口オープンも延々話し中、20分以上ひたすらリダイヤル。ここを楽にするにはビルボードの有料会員になるしかないのだろうか。
なお、当日実際に入場点呼が始まった時刻は、所定の開場時刻よりちょっとだけ前倒し。10〜15分前には現場にいた方がよさそう。 - 自由席の運用
- 番号順に入場の際、係員の誘導に従ってエリア希望を伝える。利用可能な席候補を提示してくれるので、そこから適宜選んで着席。すると飲食精算のため、整理番号と座席番号がその場で紐づけられる。つまりこの時点で座席確保完了。1人参戦でもトイレ行けるし、開演前ならステージを観察に行くなども可能。離席したら取られる新幹線みたいなのを想像してたんで、この方式はとても助かった。
- 座席の位置
- 各座席エリア間の高低差がかなりある。ステージ正面のテーブル席がもっとも低い(係員は「アリーナ席」と呼称)。今回わたしが着席したサイドのカウンターは頭1つどころか3つ近く抜けており、着席者も通行者も一切邪魔にならない見晴らしのよさ。なにがなんでも演者の至近がいいという人以外にとっては、実はすごく観やすい。
- お食事
- 座席の大半では食事の注文が可能で、料金は座席ごとに事後精算(専用スマホサイト経由のクレカ払いが推奨されている)。今回は昼公演だったのでおやつ程度にしておいたが、その気になればまともな食事や酒も注文できる。食事とるのがデフォなのは、開場から開演まで1時間も確保されてる点からもうかがえる。ある意味「従量課金制ディナーショー」と言うのがいちばん近い表現か。
余談:前日の大阪入り
公演日が土曜だったんで金曜の配信も大阪から。雪で東京の道路が麻痺、フライトの3時間も前に出発したのに飛行機に乗れず、なんとか別便で伊丹入りして配信開始が22時半。おつかれさまです。「2時半に家を出た」「着陸前に旋回」と言ってた気がするんで、JL139(定刻なら1910発)あたりですかね。からの「大阪城が見えるホテル」。背景からすると千利休のアレかな。と、自分のわかるジャンルだけ特定班に回るのであった。
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