Review – 小室哲哉 : JOBS#1 / 2017.03.15

年末のディナーショーにてその場の勢いで予約してから2ヶ月少々。水曜、ようやく現物が届いた。そういや2週間順延したんだっけ、というのがまるで気にならないくらいには自分が忙しかったわけだが、今回はわりと早い段階でゆっくり鑑賞する時間を作ることに成功したので感想文投下。例によって長文っす。

もくじ

DISC 1

1-01. Can You Celebrate? Art Mix
16年横浜イベで出したモノということで、未参戦の自分は初聴。あーこれは確かに現場で盛り上がるやつですわ。ほぼサビの英語以外ボーカルがないのに成り立ってるのは元曲の強さやね。

1-02. RAISE UR HAND
こちらも同時期制作(ただし「ほぼ原型はない」)。ノリとしてはド初期の trf か EUROGROOVE 系なんだけど、節々で過去のいろんな作品が頭をよぎる。

1-03. Have Dreams! tk piano mix / Tetsuya Komuro × Tsunku♂ Feat. May J.
NHK 番組のテーマ。しかし、つんくと共同作業する日が来るとは asayan 全盛期でも思わんかったなぁ。

1-04. #RUN / 小室哲哉 feat.神田沙也加(TRUSTRICK) & tofubeats
なぜか単体では買いそびれていた競馬系コラボソング。これで親子2代に曲提供したことになるが、この声質を目の当たりにするとやはり血は争えないというか、むしろママより上手いし。

1-05. maze
書き下ろし新曲。いい意味で肩の力が抜けたジャムセッションのようでもある。ドラムがほとんど入ってないのも新鮮。

1-06. HERE WITHOUT YOU
こちらも新曲。先生流ど真ん中ポップスって感じでもあり、どこかイギリスの空気も漂っていたり。もし日本語版になったらだいぶ違って聴こえそう。

1-07. rêver / 小室哲哉 feat.大森靖子
大森さんて名前だけは知ってたけど、今までの先生プロデュース女子には全くいなかったタイプのボーカルスタイルで意表を突かれた。2分というとっても短い曲なのであっという間。

1-08. a new lease on life
プレミアリーグ中継タイアップ(配信シングル入手済)。なんだかんだでサッカー関係の仕事もちょいちょいあるよね。

1-09. BLUE OCEAN
ラジオの曲だと念頭に置いて聴いたら予想以上にラジオ的だった。というか、七日間戦争の In the factory っぽい。要は司会の人の公私混…あ、いやなんでもないです。

DISC 2

2-01. one more run
最近の先生は仕事幅が昔よりノンジャンルに広がってるので、フォローしきれてない話も多く。これも今回初めて知った。確かにスポーティーなタイアップ先に合わせて勢いあるのが多いね今作。

2-02. Song for ALPINE SKI WORLD CUP 2016
曲名がド直球だがこれも初耳。やっぱり勢いある中、ウィンタースポーツ向けだからか、どことなくクールというか冬の厳しさもうかがわせる。インストとしてはこれが一番好みかな。

2-03. STILL BREATHING
1-06同様ブリットポップっぽいシリーズ。基本は直球ながら、リズム隊の入れ方がトリッキーな辺りはソロアルバムならではの遊び心か。

2-04. Sound of Scalar Fields additional piano mix
アルスエレクトロニカ出展作。当時のインスタレーションを音だけでも追体験できてとてもありがたいが、今回2枚組にせざるを得なかった最大の理由はコレと思われる。なんせ1曲で21分っすよ。いくつかのパートに分かれてることもあって、マリックのミニアルバムくらいのボリューム感。

2-05. 22世紀への架け橋 / 小室哲哉 VS ヒャダイン
今回最大のネタ枠。まず出だしで噴いた。つーか全体的に「先生ファンの男子がいっぺんやってみたかったこと」まるだしで妙な笑いが出てくる。

2-06. NOW1#2017
過去に何度か別バージョンがある競馬曲の今年版。やっぱりちょっとずつ違う。

DVD: amplification
うっかり平日に視聴開始したら超大作(主に時間的な意味)で仰天。帯に書いてある通り「68分(実質34分)」ございます。未視聴の方は必ず時間に余裕をもってごらんください。
それはともかく、近年のアート寄りな姿勢がより顕著に出た即興演奏。一瞬だけ切り取ると変化の少ないミニマル展開な中、次第にごくわずかな変化が実際以上にダイナミックに感じるようになってくる不思議な音空間。ウォーホルのエンパイアみたいなものか。

総評

制作活動そのものを純粋に楽しんで作っているのがひしひしと伝わってきて、ファンとしては本当に嬉しい。やっぱ先生って本当に「その時の気分」がもろ曲に出るよねー。
あと、こういう細かすぎて追いきれない単発作品群って個別に収集するのほんと大変だし、そもそも音源リリースすらされないこともあるあるなんで、先生自らアルバムとしてまとめてくれてものすごく助かった。ある意味セルフコンピレーション。

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