Review – 浅倉大介 : Yellow Vector / 2004.11.30
30 Nov 2004
さてと。今日はこれに尽きます。
帰るなり真っ先に封を切って、仕事そっちのけで(そもそも今日は半日休みに近い)狭い部屋を音でいっぱいにして至福の時を過ごしました。このリリース間隔に慣れつつある自分がこわいです。
ところで、予約してなかったのにポストカードくれましたよ、新星堂某店さん。ひょっとして単に先着ですか。正午前=開店1時間以内だったこともあって、店員さんの態度(ポストカード保管場所を把握してなかった)からしても明らかに一番乗りだったので。いや、張り切ったわけじゃなくて、単に通院が超スムーズに終わっただけなんですが。
ということで、左腕の違和感(アレルギーパッチテスト実施中)に耐えつつ、毎度の長文レビューです。ついでにトラバぴーぷる初参戦。
1. Schrodinger’s cat
「脳内風景」って言葉がまさにぴったりくる、微妙に不気味感漂うほわほわした導入部から、気付いたら歯切れのいい展開になってました。延々とループしてる音が無限音階どうのってやつでしょうか。
って最後の最後で「にゃ〜お」。猫は生きてたようです。
2. Quantum Mechanics Rainbow V
今までの QMR シリーズの延長線上だと思って聴くと吃驚しますね。というか、マイナーコードベースで来ると思ってなかったもので。ドラマチック度と重厚感が相当割り増されてます。裏ジャケのような異世界調風景が、とてもしっくりきます。
3. Venus Vector
明るっ! 黄色通り越して白に近いくらい明るいですよこれ。ライブでやったなら、ものすごい光量がステージから客席まで一斉にわーっと動くのが見えるような感じです。
後半で一旦ゆったりモードに入りますけど、それが宇宙空間だとしたら前段は地上からそこまで一気に駆け上る勢い。そしてその後はさしずめ流星祭り。…と、タイトルに合わせてイメージしてみました。
4. étude on F-String
不安定版カノン、に近いかも。徹底して暗めになっております。F ってことですが、# かかってますよね?(自信なし)
5. Star Yellow X’mas
いきなり歌ったらびっくりしますから! しかし、まゆみさんもすっかりお馴染みになりましたね。とりあえず虹シリーズという1セットで考えれば、ある種の統一感出すためにひとりが多用されるのはまぁありなのかな、と。
路線的にはかなり3.と近接してますが、イメージかぶらないのはやっぱりボーカルのあるなしでしょうか。ボーカルのメロディーラインがいい感じにポップスなので。
6. Puppet Master
‘Deep Blue’ Resolution が好きなわたしのような人は、これもきっと好きでしょう。ライブでやったら大盛り上がりの予感。
しかし、web(原義;蜘蛛の巣)→(蜘蛛の)糸→操り人形、ときましたか。つーか大ちゃん、ぶろぐぶろぐって何度も出てくるんですが、ぶろぐやりたいんじゃないですか? やりましょうよ。あ、橙が終わってからでいいです…。
7. Le Petit Prince -le renard dore ver.-
オリジナルの存在すら先日知ったくらいなので、わたし的には新曲同様です。
いわゆる「星の王子さま」の一般的イメージ=あまーいファンタジー、を予想してたんで、いい意味でかなり現代的方向へひっくり返されました。ちょっと YMO あたりへのオマージュが混じってる気がするのは、リード音のせいでしょうか。
8. Laplace’s Devil
締め曲がドラムンベース(という定義で合ってるかは不明)ですか。これまた意外。時折入ってる逆再生っぽい音、あれが全智の象徴かな?
総評:
おなじみのトランスがある一方で、タイトルからの当初予想を派手に覆された曲多数。こ、これはおもしろいかも〜。いや、大ちゃんはやっぱりあなどれません。わたしの想像を超える「引き出しの多さ」を見せつけてくれました。
あまりにおもしろすぎて(←interesting の方)いっぺんに聴き慣れてしまうのがもったいないので、一度ケースにしまっちゃいました。よって、上記すべて(だいたいわたしのレビューはいつもそうだが)ファーストインプレッションのみで書いてます。あとはたっぷり時間をかけて、じわじわと楽しむことにします。
あの、ところでこれめちゃくちゃ音よくないですか? いや、今までも勿論いいんですけど、なんか今回はそれに輪をかけて。音質が際立ちやすい音色が多かったのかもですが。
…そして恐ろしいのが、虹シリーズを聴いちゃうとしばらく他社製の CD がすかすかに思えてなかなか聴けないということです。今回もまた嬉しい悲鳴。
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