欧羅巴円舞曲 II ウィーンの香り (2) Wiener Zentralfriedhof

ちょっと前に実家から送ってきた作物のうち、冷凍しておいたとうもろこしでコーンスープ。まるまる2本バラしたまではよかったが、出来上がりがえらい少量。ただ、余った牛乳でのばしたら冷製スープとしてはほどよかった。次はポテトでやるか。
さて欧州旅4日め、ウィーン最初の目的地のお話。

市の南東部、郊外主要駅のひとつ Simmering を過ぎて少し行ったところで到着。

ここは中央墓地(Zentralfriedhof)。駐車場を挟んで、門の目の前に電停があって便利。

敷地がとても広いため、門もいくつか設置されており、特にこの 2.Tor(第2ゲート)が正門に相当する。ちなみに、ここまで乗ってきた6系統はさらに郊外まで路線が続いているが、旧市街からの出発なら71系統がおすすめ。次の 3.Tor が終点だから乗り過ごしが心配な人にもやさしい。

早速入っていくと、あらこんなところにバスがいる。場内循環バスのようだが、路線バスそっくりなのは仕様です。というのも、ここを管理する Friedhöfe Wien も Wiener Linien と同じ Wiener Stadtwerke グループだから。つまり実質的には市営墓地みたいなもんである。
地図で観てなんとなく想像はしてたが、やっぱりバスが欲しいくらい広いってことだな場内が。実際ここはヨーロッパでもトップクラスの規模を誇り、お墓の総数なんと33万基。すごいね。

しかし、地元の方が多く眠っておられるバリバリ現役利用中の墓地というと、普通は写真撮影に来る場所とは言い難い。そこへカメラを持ってきたのにはもちろん理由がある。
場内のメインストリートをちょっと行ったところの 32A 区画。

ここには、誰でも知ってるレベルのクラシック作曲家たちのお墓が集結している。さすが音楽の都。ということで、32A を中心とした一部区画はほぼ観光地とみなされており、我々の散策中にも中華系と思われる団体さんが到着。

もっともわかりやすく著名人が集結しているこの3基。左がベートーベン、右がシューベルト。そして中央にモーツァルト。ただしモーツァルトだけは中に御本人がおられるわけではなく、かわりの「記念碑」。本当はもうちょっと中心部寄りの St.Marx 墓地(71系統等の電停あり)にいるらしいけど、そっちですら正確な埋葬場所は不明。つくづく謎に包まれた伝説の人である。

他にも、ヨハン・シュトラウス2世やブラームス等々、我々の浅学により知らない人も含めて枚挙に暇なし。

シュトラウス2世がいれば1世もいる。連綿と受け継がれてきたウィーンの芸術魂を濃縮したような空間。

それにしても敷地が広い。さっきのバスは20ヶ所ものバス停を有している。お墓参りに来る人も大変やな。

中央付近の聖堂から人の気配。今日も誰かのお葬式が執り行われているようだ。あまり奥へ行ってもきりがないので、区画間の細道を抜けて 3.Tor へと向かう。すると、途中で意外な空間に出た。

突然の公園。
どうやらここは Park der Ruhe und Kraft といって本当に公園らしい。99年オープンと比較的新しいが、遺された人たちが前向きに生きていけるようにとの意図を込めた、一種の瞑想場所として設計された模様。オブジェに流れる水音を聴きながら、我々は水分補給としばしの休憩。

そこから数分歩けば門に出る。ここも電停はすぐそこ。次の電車を待とう。

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