欧羅巴円舞曲 II ウィーンの香り (23) Café Central

スーパーの品揃えもすっかり秋モードにシフト。目立つところに鍋つゆ陳列、徐々に目立ってくる白菜。以前そんなシフト時期を読み誤り、そうめん在庫がまだあるのにめんつゆがないという憂き目に遭ったこともある。季節感はきちんと読みましょう。
さて欧州旅7日め、またまたカフェ巡りのターン。

電車で Stubentor まで移動し、さらに U3 で Herrengasse へ。午前の散歩中にケーキで持たせた分、ちょっと遅めの時間帯までひっぱった上で、ランチにやってまいりました。駅から1分あるかないかの近距離に位置するお店へ。

これまた有名店 “Central”。かつて宮殿だった建物にある、19世紀から続く由緒あるカフェである。

幸い待ち列はそこまで長くなく、ほどなくして店内の待機場所、さらに数分後にはもう着席できた。すんなり座れた理由はあとでわかる。

なお店内で待っている間に相手(?)をしてくれたのは、常連客だった作家の Peter Altenberg さん。どのくらい常連だったかというと、郵便の宛先をここに指定するレベル。もはや居候。実際の御本人はこれよりさらにラフな格好だったらしいが、ともかく当店には多くの文学作家が出入りしたという。建築家だったり芸術家だったり、どうもウィーンのカフェは店によって集まる人のジャンルがあるような。

Peter さんの背後である程度おわかりかと思うが、まず内装がすごい。

さすがは元宮殿。修復を経たとはいえ、それでも見上げると思わず口が開いたままになってしまう壮麗な空間。中央奥には皇帝とシシィさんの肖像画も鎮座し、歓談はずむフロアを見守っている。

こんなとこに我々みたいな機動性重視カジュアル勢が来ていいのかと思いつつ、しかし周囲も概ねカジュアルな観光客であふれている。これまでに訪れたウィーンのカフェの中でいうとザッハーくらいの観光客度。場所いいもんねぇ(王宮からもそう遠くない)。

ではメニューを拝見。そして、あることに気づく。

我々が入店したのは、まもなく14時になろうかという頃合い。14時とは当店において、ちょうど平日ランチメニューが終了する区切りの時刻だったのだ。スムーズに入れたのはそういうことか。知らんかった。つーかランチセットがあると思ってなかった。
日替わりランチは12.5ユーロ固定。てっきり3品出るのかと思いきや、注文を取りに来たウェイター氏が正解を教えてくれた。各日とも最上部のスープはデフォで、下2つのメインメニューからいずれかを選ぶ方式だった。なるほど。今日は魚ときのこの2択。じゃ、今回の旅でほとんど食べてないお魚にしよう。

注文が通って数分後、早速スープ登場。

コンソメスープの中央に浮いている謎の物体は、セモリナ粉のダンプリング。パスタだんごのようなものである。だんごだからといって押し固められているわけではなく、スプーンでほろほろ崩れる感じ。
こちらをいただいてしばらく後、メイン料理もやってきた。

燻製なまずを使ったハンバーグのようなものの下に、野菜と米のカレー炒めが敷かれている。カレーは濃い味、魚が淡白なので、合わせて食べるとちょうどいい。そして見た目以上にボリュームあり。かなり満腹。

そして満腹そうにしているとコーヒー勧められる(今回3度め)。ごちそうさまでした。

我々が店を出る頃には、新たに行列ができていた。

この後はカフェタイムでまた改めて賑わうことであろう。

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