やうやう白くなりゆく冬雲 (3) 迷える行先

ちょっと時間に余裕ができたので、役に立ちそうな技術調査に乗り出す。ネットには先達の文書が無数に散らばっており、要件に合わせていいとこ取り。それでも無理なものは無理だったりすることも。できる範囲内で丸く収まるといいんだけど。
なわけで、昨年の伊丹で撮り納めの巻ラスト。

小型機の多くは普段通り 32R へと降りていく。

ちっちゃいからってパワーを侮ってはいかんことを昨秋の天草で実感して以来、小型を見る目が少し変わった。

そうはいっても風に翻弄される面があるのは大小関係ないようで、E170 の何機かはなかなか着地できずにスレスレ飛行で目の前付近まで来たり、片足ワンバウンドするなど苦労していた。

そろそろ次の羽田便が来る頃かというところで、この日最大の波乱が発生する。

相変わらずこっち観てんのはおいといて。このときだけ盛大に曇ってんのもおいといて。
なんの変哲もないこの 767、実は予定外のお客さん。本来なら1時間以上前にとっくに到着していたはずの NH655 便「岡山ゆき」。羽田を出たはいいものの、岡山にて横風のためかどうにも着陸できずぐるぐるした結果、あきらめて伊丹へ降りることになったようだ。その苦闘ぶりは FR24 のログを眺めるだけでも想像に難くなかった。

おそらく燃料もカツカツであろう。後続に見えている定期便に優先順位を譲ってもらったと思われる感じで、なんとか地上へ。

無事着陸できたのはまず大事としても、乗ってる人たちにとってはたまったもんではない。岡山までは新幹線が必要な距離。いくらこのご時世といっても年末年始、仮に新幹線への迂回を手配してもらったところで空席保証もない(まあ山陽なら大丈夫か)。お客さんのみならず、中の人も本来と違う対応を取らねばならぬわけで。皆様おつかれさまです。

と、思わぬ事態を見届けてしばらくすると、大きな雲にかかっていた太陽が再び姿を見せ始めた。

雲が残っている状態だとこの明暗差である。ウェブ上でたまに見かける、写真の下辺に透過黒を重ねて文字入れるやつみたいになっとるやんけ。おひさま偉大やね。

その後数分ほどで雲がだいぶ抜け、手前の滑走路にも奥の生駒にも陽が当たるように。

ただやっぱり風は結局ずっと強いまま。前のめり着陸姿勢もまだ観られる。

そうこうするうちに、序盤で見かけたワンワールドさんが再び旅に出ていった。この運用からするに、こっちも沖縄便やったんかな。

ひこうきを悩ませる強い寒風にさらされて、人間もすっかり冷え切った。おやつは家でぬくぬくと落ち着いて食べようと、そそくさと車に戻って家路につく当家であった。

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