欧羅巴交響曲 I プラハの夏 (32) Radlická

昼食前に買い物を済ませて帰ってくると、近所から出てくる救急車。熱中症かなにかだろうなー。実際この週末は台風の影響で気温が体温レベルの猛烈な暑さなんで、当家もあの手この手で涼んでいる。皆様もお気をつけて。
さてプラハの火曜日はご想像の通りほぼ電車ばっかりとなっております。

やってきたのは、旧市街から数駅離れた Radlická という駅。

駅前すぐのところにどんと構える、現代的で大きなビル。そこへ向かって、電車から降りてきた通勤客らしき人々がどんどん吸い込まれていく。どうやらここは ČSOB というチェコ有数の大手銀行グループのオフィスだったようで、てことはあの人々は銀行員や関連会社員だったのだろうか。

駅自体は地味というかそんなに大きくなかっただけに、この利用者の多さはちょっと意外。

でだ。なんでわざわざこんな郊外まで来たかというと。

ここが路面電車の終点になっているから。
プラハの路線網はなんだかんだで20以上の系統を持つほど充実しており、相当遠いところまで行っている系統も少なくないため、アクセスしやすい終点が限られる。当電停はたまたま地下鉄駅と隣接していて来やすかったので、終端マニア活動(?)の一環としての訪問なわけで。

といっても、例によって例のごとくヨーロッパ標準の「終端だからって車止めがあるとは言っていない」タイプ。この広場でぐるりと円を描いて、反時計回りに周回する。
背後には小高い丘。の上に集合住宅があるあたり、やはりある程度の都市になると居住エリアは外へと広がっていくものか。

せっかくなので、周回コースのど真ん中にも立ってみた。そこにベンチがあることからもわかる通り、線路の内側はもともと人が突っ切って歩く想定の設計。円形の線路をカバーするように立つ架線柱が、空間に独特な表情を与えている。

ここに来る系統は2つだけだが、それでも数種類の車両が出入りするので楽しく眺めていられる。

て、なんか1本動いたぞ。前から観るとウルトラマンっぽい銀のタトラ。

すぐにでも出そうなので思わず乗り込む。

小さな単車は、進むごとに徐々に席が埋まっていく。さすがに観光客は少なく、地元の利用者が多いようだ。元は古い車両なんだろうけど、中間低床化改造したり椅子や手すりを更新したり、長く使う工夫は感じられる。

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