季の移りに身をまかせ (4) 童心で遊ぶ旅

午前、年末年始に備えて日用雑貨の類をどっさり買い込む。午後、普段使いバッグの買い替え候補をウィンドーショッピングで探しつつ、なくなりそうなシュトレンを買い足す。ついでに舶来チーズの在庫処分に飛びつく。買い物日和な1日であった。
さて先月の梅小路、後半戦は屋外にて。

2階の食堂、空いている時なら席だけの利用もできるんやね。持参のお茶で一服した後、過去2回は寒いからとスルーしていた屋上展望台へ。まあ今日も寒くなくはないのだが、まだいける範囲。

ちょうどいいところへ特急がさしかかった。京都タワーと公園の紅葉を背に、山陰へと向かうはしだて。

かつては撮影できる場所を選んだ「東寺と新幹線」の写真も、柱が多数立っていることに目をつぶればお手軽に撮れる。

地上へと下りる通路も含めて、京都を発着する大半の路線を一望できる環境は、時として情報量が猛烈に多くなる。新幹線、はるか2本(うち1本はキティ)、置き物のトワと旧客。いっぺんに来るともうなにがなんだか。

などと眺めつつ、扇型車庫までやってきた。

整備中の C62 が凛々しく佇む。

ここで、過去に一度もやってなかった体験に手を出してみることにした。

毎度おなじみ SL スチーム号。写真は何度か撮っている。後ろの客車が旧梅小路時代の車両から更新されたのも知っている。が、なんにせよ「乗車」は2人とも記憶にない。時間はあるし、せっかくだから乗ってみよう。

最終の16時発に乗れそうだ。静態保存の機関車たちをしばし眺め、頃合いを見計らって専用の乗車券を購入。列に並んで案内を待つ。
待機中、係員さんからの説明を聴く。1組ずつ写真を撮って回るので、撮影希望の有無をその場で伝えてほしいとのこと。ジェットコースター然り観覧車然り、その手のモノはスルーが基本の当家。もれなく撮影されるケースでも引き取ることはない。

それより、こちらが新しい専用客車ですか。SL にくっついてる方がオハテ321-1、もう1両が簡易運転台つきのオハテフ310-1。フルオープン状態の大きな窓が、いかにも展望重視の趣(さすがに雨天時は透明シートを閉めるようだ)。ドアは手動、外からでないと開閉できない。

発車10分前に乗車開始。座席はいくつか区画分けされており、それぞれ往年の HM がつけられ、その愛称に応じた模様が背もたれにあしらってある。当家が座った位置は「かもめ」、奥はきっと「つばめ」やね。
平日やし結構空いてんな、と思いきや、車内写真を収めたあとからどんどん乗客が増え、親子連れを中心になかなかの賑わい。なお、簡易運転台のすぐ後ろのブロックは、他エリアも含めて見学に来ていたらしい大人の団体さんが乗り込んでいた。ヘルメットをかぶって SL の説明も受けていたようだが、同業他社さんか、はたまた社内研修か。

そうこうするうちに定刻発車。よく響く汽笛に、ビビって泣き出すお子様の姿も散見された。音でかいもんなぁ。低速走行しかしないとはいっても、蒸気の勢い、煙の匂い、そして汽笛の音は、やはり「本物の SL らしさ」に満ちている。

車窓の北側は梅小路公園の色づいた木々。南側はときどき車両。すぐ脇を後ろから、はしだて&まいづるに追い抜かれる一幕も。

5分ほどで折り返し地点に到着。進行方向の切り替えを待ちつつ、車窓からインスタント紅葉狩り。

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