Report – 小室哲哉 Premium Symphonic Concert 2022 -HISTORIA- @ 兵庫県立芸術文化センター / 2022.12.09

本来は「billboard classics」って冠がつくし会場名も「KOBELCO大ホール」まで含むべきなんですけども、ちょっとタイトル長すぎなんで。はうくら円盤封入特典でインテリツアーのチケ確保、その会場配布チラシ特典で本ライブのチケ確保。ライブに行くと次のライブに行ける不思議な連鎖により、今年最後のライブはこちらになりまして。ビルボードに始まりビルボードで終わり。いろいろお世話になりました。

もくじ

会場概況


入場後のロビーでそこらじゅうにポスター掲示。記念撮影には事欠かない。あとせっかくなので Fanicon 会員限定カードももらっておいた。

芸文自体は2度めだが、前回(09年マモー)中ホールやったんで大ホール入場は初。
我が席は1階の後ろ半分(規制退場で先頭集団)。前席と頭1.5個分くらいずつ段差ついてることもあって、着席してる限りはとっても見やすい。なお客席エリアは携帯電波が激弱(キャリアによっては圏外)なんだが、どうせ機内モードとかにするんで無問題やね。
見上げると4階席まで人の姿が。2階最前に立派なカメラが設置されていた件、公式が「何らかの形で外に出したい感」に言及してたんで、そのうち出るか?
ちなみに、先に幕間の話をしてしまうと、女子トイレも長蛇の列に見えて意外とよく回る。

第1部(18:30〜19:25)

01. Get Wild
以降の曲も含めて、フルオーケストラに対して moog 2台や Montage で掛け合いを入れていくようなスタイルが基本。格調高い演出のイントロ、木管楽器で加える疾走感、サビでハイハット3点打ちなどが印象的。

MC.
本来止まるべきシンセ音が「出っぱなしになっちゃった」箇所があった模様(確かに大サビ前でそんな感じの音が)。ともあれ、序盤のうちに指揮者の藤原さん・演奏の京都フィル・ゲストパーカッションの小野さんをご紹介。

02. My Revolution
「ターニングポイントとなった曲」との前振りで。サビのシンセがチェンバロ風の音色だったり、コントラバスの低音が効いてたり等々ありますが、まず全体の雰囲気に違和感がない。というより編曲としてのまとまりがしっかりしてる。してるものとしてないものが明らかにあるなってのは後々わかってくる(個人の感想です)。

03. BEYOND THE TIME
細かいドラム刻みがないことを除けば極めて原曲に忠実。随所に入ってる「てけてけてけてけ」もバッチリ再現、光り物(ベル系)のアクセントもほどよく。一方で先生はピアノでバイオリンと掛け合ったかと思えば、エレキギター系や moog のぎゅいんぎゅいんでメリハリをつけてくる。

04. 寒い夜だから…
いわゆる I miss you の辺りが盛り上げポイント。そして後半しれっとマッシュアップされるトルコ行進曲。グランドピアノに正対して着座で弾く際、しっぽ(タキシードの裾)をさばく先生のお姿は以降何度か観られた。

05. 恋しさとせつなさと心強さと
直前のひとこと MC にて「前曲がないとこの曲は作れなかった」との振りから。先生はほぼピアノに専念、バイオリンが上手方と下手方で綺麗に役割分担していた。

06. 愛撫
バイオリン・ピアノ・その他で順番にメインメロディ担当を回していく感じ。サビのビブラート感はバイオリンにちょうどよさげ。あと地味にハープのアクセントが効いている。

07. NEVER END
全体の流れはゆるやかに、その分ピアノで細やかに刻んでいた感じ。これだけ西洋風な布陣でも琉球音階が入るとそこだけ空気変わるの強いな。

08. PRECIOUS MEMORIES
ピアノソロで始まり、1番 A メロまではピアノ1本。徐々にオケも参加(弦楽器に絞っていたように見えた)、いつも通りジャジーなピアノと絡み、最後はピアノのみで締め。ある意味弦楽器がボーカルのようなもの。

第2部(19:46〜20:49)

09. 炎
オーケストラを機材で再現した原曲を、本物のフルオケで。あるべき姿ってやつですね。次曲へのフック的な立ち位置だったせいか、尺が短かったのだけが惜しまれる。全部やってくれてもよかったくらい。

10. 天と地と~HEAVEN AND EARTH~
からの先生ボーカル参戦(こっちはフル尺)。ゴージャス感割増。ところでサビの譜割ちょっと変わってた? 「あいをしんじられる」の「れ」が音符短くなってた気がする。

11. DEPARTURES
これもメインメロディを順番に回していく構成。最後列のパーカッション担当のみなさんがいい仕事してた。

12. FACES PLACES
MC もなくするりと Beverly ちゃん入場。からの独壇場。いやとんでもなかったわ。言っちゃなんだが本家よりうまくないか。オケも総力戦でガンガン弾いているはずなのだが、もはやボーカルの迫力が全部持ってってしまう。

MC.
曲明けに改めて「唯一のゲストボーカル」としてご紹介。次曲は彼女に歌ってほしくて選曲した模様。

13. GooD Luck
というだけのことはあった。いくらマイクありとは言っても、あんだけバリバリ鳴らしてるフルオケに声が負けないのすごくないすか。彼女を前面に立てる意図か、先生は前曲同様控えめなサウンドで。

MC.
ここで満を持して「今夜だけもう1人」のゲスト、大ちゃん登場。まさかの中央ブースを彼に譲り、先生は下手に移って Mind Control に持ち替え。なるほどそういうことか。リハ写真で大ちゃん向けのセッティングがないの不思議やったんよ。

14. Be The One
ということで「ご存知の人はご存知」「瞬間やってた」「1曲だけ出した曲がヒットした」アレを「オリジナルメンバーで」(すべて MC より抜粋)。西宮公演の目玉企画・PANDORA 再集結でございます。先生はちょいちょい弾きつつサビはたまにコーラス参加、大ちゃんは Montage や moog でノリノリ。Beverly ちゃんもさすがの安定感。ビルボード主催の関西ライブでこのトライアングルをポジティブな心境で観られたのは本当によかった。
惜しむらくはオケアレンジの方で、サビのコード進行が大幅に変わったこともあってだいぶ印象が異なってしまったとこかな。あのトランスみある無限ループっぽいアレがいいんだよなぁ。そんな中、大サビが迫るタイミングで客席に手拍子を煽って盛り上げてくれた大ちゃんは実にグッジョブでございました。

15. I’m proud
ゲスト2人が去って再び通常モードへ。もともとオケ寄りの曲だからか、雰囲気も合ってるしメリハリもあっていい感じ。ここまでの時点で「メインメロディは完全トレースしない方が綺麗にまとまるのでは」説が自分の中で浮上した。

16. CAN YOU CELEBRATE?
こっちも元からオケありのドラマチックな曲だからか、やっぱり違和感なし。オーケストラ移植に向いてる曲って絶対あるよな。

17. CHRISTMAS CHORUS
実はアンコール扱いだったようだ。確かに直前でもうスタンディングオベーションしちゃってたし。からの大ちゃん再登板(立ち位置はさっきと同様)。先生がほぼボーカルに専念する中、細かいところをあれこれ弾いてくれていた。最後はクリスマスらしく、もろびとこぞりて&きよしこの夜で盛大に締め。
ただですね、曲が始まって後方席はじわっと座っていったんだけど、座るタイミングを逃した前方のみなさんが最後まで起立。中盤で立ってる人が先生にかぶっちゃってちょっと見えにくかった。クラシック前提のホールはスタンディング鑑賞に向いてません。
ともあれ大団円。演奏終了で Beverly ちゃんも呼び戻し、藤原さんも壇を降りて4人で数珠つなぎの礼。惜しみない拍手。

余談あれこれ

この日は金曜。先生の定例配信は22時以降の目処とのことだったんで、まっすぐ帰宅。福島の焼肉店(店名出ちゃってたし…)で PANDORA 勢揃いのほのぼのトークをおうちで堪能。ドアツードア1時間以内の北摂民でよかった。
あと芸文は優れた会場だとは聴いていたけど、実際客席に座ってみて納得した。音響にこだわった造りのコンサートホールはいいものだ。終演後よく観たら、壁に飾ってあったのは過去の著名な上演作品の数々。なかなか自主的にクラシック系列の鑑賞機会はないものの、こうやって実地体験すると見え方も変わってくるわけで。

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