お葬式の作法とか慣習にもいろいろあるという話。

1週間休んでいたのはもちろん理由がありまして、義父さんが先週亡くなったので「喪主代理補佐」をやってたわけでございます。要するに旦那さんが「喪主代理」=ほぼ喪主というか事務方トップというかそんな感じ。で、個別事情と関係ないところで印象に残った点がいくつかあったので、わりと自分用めもの意味も含めて記録しておこうかと。

もくじ

病院には「それ用の裏ルート」が存在する

亡くなった病院から斎場へ移動する際のこと。霊安室からかなり近いところに「業務用エレベーター」があり、一般患者や見舞い客も通過する場所ではあったが、そういう人のいないほんの一瞬を突いて乗り込む。さらにエレベーターを出るとすぐそこに「業務用の扉」があり、開けたら目の前に霊柩車。
入院等してる人に「自分が死ぬ可能性」を想起させてしまうようなシーンを見せないように、動線を考えて造ってるんだなと、至極当然の設計に納得。きっと他の病院でもあるやろね。

最近の弔電は結構凝っている

亡くなった翌日から旦那さんの実家にずっと滞在していたところ、次々と弔電が届く。電報と一緒に小振りのプリザーブドフラワーとか、線香一式の箱がついてきたものもあった。
さらに法人関係からの豪華なものでは「表紙中央の四角い装飾を裏から押してはがすとコースターになる」という変わり種まで。実際はがしてみたのだが、使う分には支障ないけどはがした後の電報本体がビジュアル的にちょっと微妙。

葬式の方法は仏式か無宗教か

別の親族の方で無宗教式の家族葬に参列したことがあり、これがとてもシンプルで印象よかったので、今回もそれがいいかなーとみんなで話していた。が、いざ斎場の人が来て打ち合わせで聴いてみたところ、次のようなことを言われた。
「告別式自体が仏教の儀式。一周忌も三回忌も同様なので、最初を無宗教にしたら以降もすべて無宗教にしないと辻褄が合わない。その場合、読経がないので『ただの食事会』になり、儀式としての区切りがつけづらい。あと、読経がないと『こんなん葬儀ちゃうわ、ちゃんとやれ』と納得しないタイプの人が年配者には多い」
なるほど。後者でひっかかる親族もいるっぽいので、無難に仏式となった。

通夜当日の夜、寝ずの番をするか

07年にわたしの父方祖母が亡くなった際、両親が死去当日と翌日(通夜の日)に斎場へ泊まり込んだ。2日目はわたしも参加。「初日は父が途中で爆睡する中、ときどき起きて線香を継ぎ足した」と母が疲れた顔で言うので覚悟していた。ところが通夜の後になって、一度点火したら一晩もつ「巻き線香」なるアイテムを斎場から渡され、「それを初日から出せよ!」とツッコミを入れたくなった記憶は今も鮮明に残っている。
という経験上、今回もやっぱりあるかなーと同様に覚悟していた。が、いざ斎場の以下略。
「西日本ではそういう風習もあるようですが、東日本では一般的に泊まりません」
祖母も父も九州の出である。県こそ違うが義父さんも九州出身。だが、ここは首都圏。しかも斎場は実家と同じ市内。家に帰ってしっかり休んで、万全の状態で葬儀に臨む方が大事ですよね。てことで泊まり込みはなくなった。

斎場に飾る花にも時代の流れ

前述の祖母の葬儀では、「祖母は花が好きだったから」という父の言い分により、祭壇に大量の生花。さらに斎場入口にこれまた大量の花輪。わたし自身、九州在住時代に何度も葬式の花輪を見かけていた記憶がある。

で、今回。遺族親族名義の花を注文する前に、やっぱり父から花を出したいと希望が出たので、まとめて斎場へ確認したところ、出せるのは祭壇まわりの生花だけと判明。花輪という選択肢はそもそもなかった。
なお、あとで両親と話したところ、いまどき花輪を出す風習があるのは九州の一部(=父の故郷周辺)くらいしかないんじゃなかろうか、と言われた。義父さんの故郷周辺でも出さないらしい。

お焼香の回数や方法が宗派によって違いすぎる件

だいたい遺族の立場にならないと意識しなかったりすることだが、義父さんの一族の宗派は曹洞宗らしいことが今回判明。お焼香は2回、と事前説明を受け、我々はもちろんそれに従って2回で行なった。が、一般参列者の皆様にそんな説明はない。すると、ごく一部が1回、たまに2回、そして圧倒的多数は3回。今ちょっと調べてみたら一般枠の人は自分の宗派に合わせていいらしいね。なるほど。
なんにせよわたしの場合、祖母のとき覚えた真宗大谷派の作法「頭の前に持ち上げる動作をせずに2回」を上書きして「最初だけ頭の前に持ち上げる動作をして2回」ということになった。
なお、もっと驚いたのが親族席のみ適用された「回し焼香」方式。自席に座っていると隣から焼香炉が回ってくるという時短かつ楽なもので、参列者に足腰の悪い方が多いと相当威力を発揮するのではないだろうか。

告別式と初七日は同時開催がトレンド

祖母のときは「告別式→火葬→斎場に戻って初七日→精進落としの食事」という流れだった。確かに遠方からの参列が多いと同日開催は有効だよな、と感心して帰った。
で、今回。打ち合わせで、初七日について全然触れられないなと不思議に思って尋ねたら、斎場の方曰く「同時に行います」。なんと告別式の読経が終わったら、参列者は誰ひとり移動も何もすることなく(強いて言うならお坊さんが一度立って座り直し、お経を切り替えたくらい)そのまま初七日法要に突入。つまり我々は1時間以内で2度焼香したことになる。
同日どころか連続催行とは、と大いに驚いたが、最近はこれが主流らしい。さらに言うと、精進落としの食事は火葬場の控室でいただくので、ただ待っているだけの待ち時間はないに等しかった。

お棺に入れていいもの、よくないもの (7/5追記)

打ち合わせの際、斎場からこのような紙を渡された。

そりゃ燃えないものはいかんだろうなというのは常識の範囲で想像ついたが、「ダイオキシン出るから」とか「携帯とか iPod 的なもの」とか禁止事項がなにげに現代的で、思わず感心してしまった。実際、棺の同梱物といえば「故人が好きだったもの」と考えるケースが大半だと思うので、そうすると CD とかぬいぐるみとか釣り竿とか入れたくなる気持ちはわからんでもない。でもやめましょう。金属やプラ等は溶けて骨にくっつくから駄目らしい。
ちなみに今回の場合、眼鏡は火葬後に骨壷へ入れることを推奨されたのでそのようにした。あと免許(運転と仕事の資格)も入れる説が当初浮上したのだが、公文書毀損とか問われるとめんどくさいので、等倍カラーコピーした紙を切り取ってそれっぽくしてみた。

いやーしかし最近の葬儀は合理化がものすごいね。逆に言うと至れり尽くせりなのでご予算もそれなりですが、まあそれはそれ。概ね滞りなく無事に済んでなによりでした。

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