さくらさくら ’10 梅田シティ編

年度末をどうにか片付けてから、仕事は随分落ち着いた。飛び込みの無茶案件が来ない限り、次のヤマは5月連休明けになりそう。それが来たから3月はカオスったのだが。
幸いうちの会社は、忙しくなければ遠慮なく帰れる。ちょっと買いたい物もいくつかあったので、梅田まで歩くことにした、ある夜のこと。


高速の灯りが川面を彩る。見慣れているのだろう、ほとんどの人は素通りで北を目指す。

CD を探して、この近辺で唯一取り扱っている可能性のある店へ。しかし、入って思い出した。ここはその系統にめっぽう弱いというか、メジャーレーベルの旧譜ですら手薄なんだった。仕方ないので、今度関東で探すか通販で買うか。

道路を渡れば、駅前ビル。信号で立ち止まり、ふと見上げた。

あら。思ってもないところで桜に出くわした。夙川でたっぷりと花見を満喫した翌日のことで、街の中で探そうというスイッチが全然入ってない時だっただけに、ちょっと意表を突かれた格好。

ビルの外周をぐるりと東へ回り込むと、また桜が現れた。

コンクリートに囲まれて孤軍奮闘。大きく広げた枝は、ビルの谷間でもなるべく陽に当たろうという意思の現れか。

でもやっぱり制空権は建物の側にある。ちょっと窮屈そうな桜たち。

著名な宝くじ屋は、もう閉まった後だった。うちは定時が遅いから間に合わんのやね。ということは、この日買おうとした物はひとつも買えず、単なる夜景散歩になってしまったわけだが、たまにはいいか。歩いて帰る余力がある日に限るけど。

そのまま梅田の駅へ向かう。外壁が真新しすぎる違和感も、夜には少し薄れる。

前日に見下ろした駅舎を、今度は歩道橋から。いつか変わる、つくりかけの風景。

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