空とレールと秋散歩 (3) 昭和の残り香

終日雨であんまりやる気が出なかった。それでもとりあえず少し片付けたよ。
阪堺の旅は、ここから折り返しルートへ。

この日は本当に天気が良かった。青空は嬉しい限りだが、ちょっと歩いただけでも汗ばむほど。

南海の駅見学を終えて阪堺の駅に戻り、ずらり並ぶ自販機で小さなボトルを仕入れて一息。

さて、ぼちぼち移動しますか。

少し待つと、また派手な車両が到着。大半の車両がラッピングで派手なことは徐々に判ってきた。

50年近く大事に使われているようだ。
よく観ると、塗装の度に書き直されているであろう各種表示に旧字体がちらほら。検査の「検」とか。

タイムスリップしたかのような雰囲気を、改めて車内に求める。

ドア上の表示板。手書きとデザイン書体のどちらにも紙一重な文字。

路面電車=チンチン電車という呼称は全国共通なのだろうか。そしてここにもさりげなく「乗務員室」のあたりに旧字体。

先程同様、今回も最後尾に乗り込んでいた。展望好きだったりはしっこ好きだったり、そういう癖かも。

強い陽射しが運転台にさしこむ。

鈍いゴールドがひときわ輝く。下方に懐かしい東芝の筆記体ロゴマークが刻まれているのが見えた。

赤いモケットの長椅子。ちょっと傷んでいる箇所はあるけれど、まだまだ座り心地はいける。

そうこうしているうちに、乗客は椅子の半分ほどを埋めた。家族連れ等を乗せて出発。
浜寺までの車中、そしてこの折り返しでも、非常にインパクトの強い車内放送があった。次の電停を案内した後、音声 CM。私鉄や地下鉄でもよくある話だが、ここで一番耳に焼き付いたものがあった。堺市街の大通りをひたすら直進していた中で、聴こえてきた歌。
♪きょうもこのまち、きんしょうストア〜
なんだなんだ。往路の車中で思わずきょろきょろ。あ、あれだ。

と、復路で再び通りかかるのを待って狙い撃ち。いやー、電車の中で歌流されるのは強力だわ。

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