或る小倉日記2007 (6) 開いてる穴から失礼します

元日編、これでもまだ序盤。次回は乗り物に乗れるだろうか。
にしてもこんなに各エピソードに字数割いてて本当に今月中で完結するのかよ、とつっこみ入れたくなってきた方もおられるかと。わたしも不安。でも省略できるところがないんだよこれ以上…。小倉の話をこんなに長々とする機会はもうこれが最後だと思うので、諦めて(こら)おつきあいいただける方は気長に読み飛ばしてね。

もくじ

ごあんない(毎回掲載しますよ)

このシリーズは、mixi 先行公開(というか生中継)していた06年大晦日〜07年正月の小倉滞在の模様を、みくし日記の文と携帯写真を下地に、まともなデジカメ写真を追加して再構成したものです。

わたしにおける小倉駅の記憶は、モノレール駅から延伸工事をしようとしているさなか、JR はホームも周辺もどこもかしこも工事しまくり、そんな状態で止まっていた。それから10年近く、上書きされずにこれまで来たのだ。


えーと、このデッキに上がればいいのかな。ぱっと観では変化がよくわからない北口外観を眺めつつ、階段を探して回り込む。


駅へ向かってずばっと延びた、動く歩道。あまりの人のいなさにびびったが、よく考えたら元日の朝、駅の裏口に人がいるほうが不思議だ。
突き当りを右へ進むと駅らしい。


うわ。なにこのコンパクトさ。新幹線側コンコースの無駄すぎるくらい高い吹き抜けをどこへやった。これなら改装前のほうが空間広くて規模でかくて、旅に出るぞーって感じでよかったなぁ。と、かつてなら1階から4階相当の高さへ一気に上がっていた長い長いエスカレーターから、見送りの後輩に手を振った光景をプレイバックしつつ。


ちなみに新幹線改札。なにこのコン(略)。


駅構内に入ると、表示板のフォントやカラーリングは、10年前に博多で観たそれに近いデザインだった。そりゃそうだ、同じ JR 九州だもんな。
奥のエスカレーターでさらに先へ進む。しかし階段の多いレイアウトだな。バリアフリーやる気あるんかと。


と、そこが吹き抜けだった。在来線改札の手前。すげー、無駄がこっちに継承されてるよ! 苦笑しつつ振り返った瞬間、無駄に見えた空間の本当の理由をようやく思い出した。


そう、これが今の「モノレール小倉駅」。
この駅を併設するために、いや、飲み込むために、小倉駅は吹き抜けを北ではなく南に持つ必要があったんだった。どういうことか、それは次の2枚の写真でよくわかってもらえるかと思う。


大きな駅のどてっぱらに穴を開けて小さな駅が入り込む。そんなレアな構造の駅になったのは、早い話、駅前商店街のせいだ。
市のターミナル駅に向かって走るモノレール。当然、モノレール関係者は JR 駅と直結する前提で考えていたはず。それが開業当時なぜか JR 駅手前400mで行き止まってしまったのは、「直結されたら商店街が素通りされて客が減る」という商店街関係者の反対のせいだった、と記憶している。ところが直結しなかったせいで不便さが乗客の不満を呼び、さっぱり赤字が解消しないときた。そこで開業10年以上にして遅ればせながら無理やり延伸、と。あぁ無計画の悲しさよ。

でもそれにしては改造うまくやったよね。赤字の増減は知らんけど。

とかなんとか考えつつ、デッキから下に目をやった。途端、わたしはまた新たなるノスタルジーにひきずりこまれる。

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