おもひで二重奏 (3) 終着駅の浪漫色

久々に爽やかな温度になったので、撮影日じゃないのがもったいないと思いつつ歩いたりしてみた。あのまま秋すっとばして冬になるかと思ったので安堵しつつ、熊本編をのんびりと。

同じ九州だからだろうか、熊本市のメインストリートにはなんとなく博多と似た空気が流れているように思う。そんなことをつらつら考えつつ、やってきたのは終点、健軍町。

これは街灯を兼ねた電停らしきもの。

車庫とかはなく、スイッチバックして折り返していく方式のようだ。

わたしたちの乗ってきた電車のすぐ後からついてきた車両。

ドイツ国旗の配色とともに、ハイデルベルグの文字が。球磨焼酎とのミスマッチっぷりが若干微笑ましい…のはともかく、どうやら姉妹都市のようで。

行き先が都合良かったので、そのハイデルベルグで折り返すことにした。今度は別の終点へ。

上熊本駅前。そうそう、さっきリレつばの車内から見えたんだよね、このへん。

しかし、西広島には及ばずともなかなか立派な上屋だ。

というより、その壁の造りが妙にクラシカルだな。ちょっと壁の反対側へ回り込んでみる。

ほぅ。緑の柱と白い壁のコントラストがなかなか素敵。…ん?

大正2年! 予想を上回る歴史の長さに驚きつつ先へ進むと、また妙なものを発見した。

誰すかこのおっさん。若干福笑いちっくな顔パーツが微笑を誘う。が、なんだろうこの既視感は。はて。

その謎が解けたのは、改めてのりば側に戻ったときだった。

なるほど。どっかで観たおっさんって、旧千円札だったのね。不勉強なせいか漱石といえば松山しか思い浮かばないのだが、そっか、熊本にも住んでたんだ。超納得。

そんな歴史を秘めた上熊本。この駅舎は JR の方から部分移築されたそうで。こんなところにも新幹線開通のちょっとした影響が。

そうこうするうちに、次の電車が入ってきた。

これに乗って、最後の目的地をめざす。

バリアフリーには程遠いが、風格すら感じる木の床。こちらの歴史はまだまだ現役続行のようだ。

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