こだまする未来の手前で (1) 橋の上の30人

さてと。名残惜しいからと言って、いつまでもこの話を先送りにはできない。未来は現在進行形になって、明日(日付的には今日)からは更に多くの「青いこだま」が駆け巡るようになる。わたしも先に進もう。
2月の終わり。500系のぞみ、最後の2往復。

その日が迫り、ふと思い出したのが、何度も行ったのに撮り忘れていた構図だった。
かつて午前に行った時はサイドショットしか撮っていない。望遠を手に入れてからは夕方の後追いしか撮っていない。そうだ、京都行こう。という台詞を言うために行ったわけではないけれど。

思いつきなので昼特もなく、久々に定価運賃で東福寺まで。当初の出発予定より30分遅れたが、もともと1時間前到着プランを組んでいたおかげで事なきを得た。といっても。

ここで午前に無人だったケースに会ったことがない。勿論、ベストポジションである黄色い看板前には先客さん多数。広角用のサイドにもびっしり。どう考えても壁が邪魔やったり側面が影やったりする方にまで、ずらり。観るだけならそれでもありか。

1ヶ所だけ空いていたのは、足元が水たまりな部分。でもそんなの全然影響ない。あとは構図の中の障害物をうまく避けさえすれば。多分、白い車体だと横に張り出した架線柱のかけらがうざいんだろうけど、それもわたしには関係ない。顔がクリアに見えればそれでいい。
あ、何か来た。ついでにテレ端でテスト。

山並みはとても京都らしいが、ちょっと角度的に不細工になるかもなぁ。

しかも一気にワイド端に戻して、間に合うことは間に合ったけど、本番でミスったら目も当てられない。二兎を追うものは何とやら。よし、やっぱり手前まで引きつけよう。

あっという間に、その時は訪れた。駅に見える大きな目が動き出すのを待ってμを動かし、わたしも構える。柵によじ登ったどこかのお子様が気になるが、そちらに目をやる暇はなさそうだ。
快速通過。京阪通過。さあ、6A の出番。

ほっ。帰宅後微妙に調整は入れたが、それを差し引いてもそこそこの仕上がり。

振り返り、トンネルにつっこんでいく後ろ姿も、なんとか見送れた。

集まった人たちは瞬く間にいなくなった。わたしは片付けと報告をのんびり済ませ、久々に京都駅まで歩く。ある御方に「以前は京都から歩いてました」と言ったら驚かれた道を通るのも、これが最後だろうか。

先日のあの販促活動を機に Wisteria さんからお借りしたお魚さんを再び装着し、横にながーい駅をちょっとだけ楽しんで、さっさと移動することにした。
さあどうしよう。降りる駅はあちらかそちらか、二択。

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