Sweet 10 Journey (7) 隠遁の信仰者

なんだなんだ。寒いを通り越してもはや暑いぞ。11月中旬としては破格の薄着で出かけたけど、帰りにはしっかり汗かいたし。からの、連休中にまたがくっと冷える(平年水準に戻る)みたいやん。このご時世じゃなくても風邪ひきかねんわ。
さて秋の豪遊、2日めは移動しながらいろんなところに行くよ。

下島・上島という大きな2つの島(いずれも全域ではない)と、その他無数の小さな島からなる天草市。空港や初日のお宿などが位置する下島の中でも、観光地として近年知名度の上がったエリアが西側にある。国道で山を越え、着いたところは海のそば。

おっ、これは昨日の夕飯で登場した日扇貝の殻。黄色やらオレンジやらカラフルなのは、着色ではなく元からこうだというからおもしろい。そんな鮮やかオブジェの傍から望むのは、少し先の岬に立つ像。

ちっちゃくてなんのこっちゃだが、マリア様である。

ここは崎津という集落。マリア様やオブジェの十字架が示す通り、早い話が隠れキリシタンの里。夏に見かけた大浦天主堂や、だいぶ前に訪れた五島の頭ヶ島などとともに、2年前に世界遺産となった。

基本的には漁村であり、やや近代化された家々の外観を除けば伊根とよく似ている。

海側の住宅は、ところどころ建物間にとても細い通路が設けてある。トーヤと呼ばれるものだ、との看板も見かけた。

漁業の町ともなれば、ねこがいても不思議はない。当家散策中にも複数見かけた。人慣れしているのか、目の前でくつろぐ様子も。

歩いていくと住宅の合間に突如として顔を出すのが、当地の重要な建物。

崎津教会。かつて踏み絵が行われた場所に、昭和初期に建てられた。
五島と同様に現役の教会であり、したがって室内撮禁。真っ白な壁に柱が強調されたデザイン。床には畳が敷かれ、ある程度高齢化が進んでいるであろう信仰者のために椅子も置かれていた。

代理で入口前の一角を出しておく。松の木の下は池だし、マリア様を拝む女性の像もあったから、ルルドの泉を模したものかと。

御多分に洩れずコロナの影響で、今年前半はしばらく一般拝観を取りやめていた時期もあるそうで。ふらりと寄って入れてもらえる状況だったのはありがたい。

ところで、なんですかねこの既視感。五島でいくつか観た教会とやたら通じる雰囲気があるぞ。その場で旦那さんが調べたところ、頭ヶ島や青砂ヶ浦など五島物件の多くを手がけた鉄川与助によるものだった。一発で納得。

エントランス付近と祭壇などがある奥で壁の素材が違うのは、アクセントをつけたのかと思いきや単に予算の都合。

特別な場所でありつつ、一方で日常に溶け込んだ存在でもあることを、なんとなく肌で感じる。こうして集落と教会の空気感に触れられたのは、空港で見かけたツアー客と出くわすこともなく、少し時間を置けばこのように落ち着いて撮れる状況だったことも寄与しているかもしれん。

海沿いの一角が、観光客の休憩スポットとして整備されていた。

静かに澄んだ海は、経緯を知らなければのどかな景色。

小さな湾の対岸には、まるで集落を眺めるためにあるようなスポットも。現代においても訪問にそれなりの時間を要することで、隠れ里の風情は保たれてきたんだろうな。

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