山とは比叡の御山をぞいふ (7) 麓の大宮

そろそろ年末らしい話がちらほら聴こえてくる職場。社長からは納会の話。我がチームでは、転勤迫るメンバーの見送りも兼ねて忘年会。酒が入る機会も増えそうなので、胃腸をいたわりつつ残りの1ヶ月を過ごすとしよう。
さて比叡山1周ツアー、山を下りてもまだ見るところはありまして。

ケーブル駅からはバスに乗ることも可能なきっぷ。だが、我々はそのまま歩いてぶらぶらと。ちょっと寄りたいところもあるし。

て、道なりに最短距離歩いてたら、鳥居を一つすっとばして参道の途中に入ってしまった。すみません。

振り返っても脇道を観ても、紅葉のグラデーションが美しく取り囲む空間。

というわけで、こちらはケーブル坂本駅から歩いてちょっとのところ。

日吉大社さんである。読んで字のごとく、日吉系の総本社。
石山坂本線制覇の旅ですぐそこまでは来たことあったけど、おまいりは初めて。一見チャラそうな(失礼)カップルも思わず真面目にお辞儀する鳥居は、ちょっと変わった形。山王鳥居といって、上の屋根っぽい部分は合掌を表しているらしい。

その鳥居をまっすぐ抜けて西本宮へ。若干工事中ではあったが、なかなか立派な楼門(重要文化財)。

さらに境内のど真ん中を進むと、東本宮もある。

手前に構えているのは樹下宮(同上)。

そして東本宮の本殿。なんと国宝。均整のとれた姿がなんとも美しく、比較的近年に修理されたのか、細部にわたり発色もよい。
と、ひとつの神社に貴重な建物が目白押し。実は比叡山の歴史が麓にも影響を及ぼしており、いずれの建物も延暦寺もろとも信長に焼かれたそうだが、秀吉・家康の代で復興が進み現在に至る模様。今こうして拝見できるのは先人の努力のおかげやね。

楼門をくぐって帰り道、途中に佇む猿の形をした大きな岩。日吉大社のお使いとして知られるのもお猿さんなので、間接的に神様のお見送りを受けているようなものかもしれない。

ちなみに、比叡山だけで相当体力を使ったためゆっくり見物する余力がなかったが、この付近には例のアレもある。

「里坊」と呼ばれる地区。つまり伝統的なんちゃらでございまして。これも延暦寺ゆかりのもので、僧たちが里に設けた坊だから里坊という。石垣を多用した街並みが特徴的。

参道をゆっくり下って、あとは市街地へ向かう駅へともう少し歩く。

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