欧羅巴行進曲 (29) 第二楽章/Burgtheater

当初訪問を考えていた場所は、当地特有のモノの考え方などをふまえて先送り。そのかわり、住んでいる立場では意外と盲点になってる場所に行ってみたり、美味しいもの買って帰ったり。こういうのもいいもんだ。
さてウィーンは引き続き宿題消化のターン。

1区間歩いてブルク劇場。

国会付近からうっすら降り始めていた軽い雨。コートのフードでしのいでいたが、劇場に到着したところで降り方がひどくなり、ついに傘を取り出す。残念ながら、天気予報は的確だったようで。
雨宿りついでに、ロビーだけ見物させてもらうことにした。

おもての扉だけとっても窓部分の緻密な装飾にまず圧倒され、

一歩中へと足を踏み入れれば、嫌みのない程度に高級感があり、それでいて落ち着いた空間に見入る。

客席内へ誘う階段スペースは意外なまでにシンプル。舞台上で待ち受ける様々なドラマに向けて、心を一旦フラットにする効果を狙ったのだろうか。

話を屋外に戻そう。劇場正面玄関で柱の間に立つと、ある程度雨をしのぐことができる。出入りする人はほとんどいなかったので、ちょっと屋根だけお借りして、と。

これまた宿題になっていた、市役所と電車のセット。

劇場の階段のおかげで、視線がちょっとだけ高くなった。なんとか車をクリア。

そのすぐ後のこと。車が通ったところを、別のものが通過。

観光馬車だった。さっきも1台いたし、劇場前が周回ルートになっているのだろう。
乗客の女子一同は、市役所に向かって一斉にスマホを構える。一方、御者はというとスマホ片手にくわえ煙草でお気楽乗務。それでなんとかなるってことは、馬もコースに慣れてるからか。

対岸に渡り、傘を背負ってカメラを構える。今度は劇場と電車の宿題。

最上部に皇帝の名を記すのはお約束として、2階窓の上部にも人名が並ぶ。ゲーテやシラーという自分が知っているレベルの名が正面にあるくらいだし、他にもドイツ周辺の劇作家を列記しているのだろう。
で、役所写真で一目瞭然だが、この真ん前が電停。

停止位置の関係上、ふつーに停車するとやっぱり後ろが切れる。これは致し方なし。

車両全体が入ったものも一応撮っておこう。
しかし、国会にしろ役所にしろこの劇場にしろ、もちろんオペラ座も含めて、歴史ある美しい建物がことごとく左右対称に造られているため、こっちの構図感もどんどんそっちに引っ張られていく。やはり美意識は環境が作るのか。

雨は止む気配なし。Dr.Karl まで戻り、地下鉄で移動することにした。

潜ったら駅名が Volkstheater に変わっているのは仕様です。吹き抜けの広さとアートをあしらったデザインに、MM 線などをふと思い出す。

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