実録・おひとり様物語 紅葉編 (2) センターライン綱渡り

録画がまた溜まってきたが、まずは今日も京都の続き。出発前に作ったスケジュール表は半分くらいしか役に立たなかったという、珍しい行き当たりばったり。それもまた楽しいもので。


市内移動は、おけいはん東福寺から。人であふれるホームの対岸を、もみじ用臨時特急の回送が去る。乗った準急は4分遅れ。案の定ぎっしり詰め込まれたが、すぐ降りるので気にしない。
祇園四条で下車。ふと接近表示を見上げたら「快速急行」の文字。思わず先頭停車位置へ足が向く。

新型の実車初めて観たよ。かっこいい。でもそれより驚いたのは、傍らに立ってるこの方。先頭やから車掌さんとちゃうよ。運転士さんが乗務中に降りるんか!
ドアが閉まったのを見届けてから、彼は悠々と運転席に戻り、前照灯を再びつけて走り去った。

少々歩いて河原町で阪急に乗り換え、大宮で下車。

四条大宮、嵐電の始発駅。「らんでん」て語呂いいな。JR からのアクセスはいまいちだが、阪急以外で嵐山へ行く手段には一番いいかなと。3回乗降したら元が取れる1日きっぷを買って出発。

しかし「癒しの嵐電」というフレーズがどれほどのものか、この時点では知る由もなく。

構内をうろつく間に1本発車。ほどなく次のが来た。

一瞬広く見えるけど本物は2車線。鏡を使った写真を見かけたので、シンメトリーを試してみた次第。本当これ、絶妙な位置にあるよなぁ。

見るからに世代の違うハイブリッド2両編成。先輩方の先頭を選んで空席に座る。が、座っていたのはほんの数分だった。嵐山は終点だし、乗りつぶし目的もあるから途中下車はない。決め手は車窓。

これ路面電車やったんかー!
そうじゃない区間も多いが、一部は完全に道路上。西鉄に刷り込まれたせいか、路面電車というだけで妙に萌えてしまう。低音が効いた駆動音も懐かしい。これが「つりかけ」の音かな(後で調べたらそうだった)。
結局嵐山まで、楽しそうなポイントを探しながら、運転席との仕切りが両端筒抜けで風通しのいい最前列、かぶりつきで行ったのであった。また後でこの駅に戻ってこよう。

もみじ分をたっぷり吸収し、戻ったのは15時前。

1日きっぷを提示して、あるものを買い、雅な改札を抜けて、着いた時から気になってた場所へ。

駅のホームに足湯って誰が考えたんだ。おもしろい。たまたま来たレトロ風のを含め、7〜8分毎の発着風景を目前に眺めてくつろぐ。

10分後、出てびっくり。あ、足が軽い! 絶大な効果にただ感動。そして利用券売り場が改札外にある理由に納得した。歩き回った帰りにどうぞってことね。



ホーム先端で数本を送り迎えして、ほどほどのところで乗車。意外と時間がないので、往路で目を付けた1ヶ所に狙いを定めて、降りたのは太秦広隆寺。

入れ違いで来たラッピング車両を見送りつつ、立ち位置を探る。いざ決めたところに来たものを撮ろうとした瞬間、まさにその電車に乗ろうと急ぐ人に横切られたりしつつ、数分後。

広隆寺の門前、道路の真ん中を駆ける緑の電車をキャッチ。
一見堂々と走ってるように見えるが、意外とそうでもない。横から大型観光バスが行く手を遮り、右手からはワゴン車が横切り、それらを全部やりすごしてからようやく来たところ。結構遠慮しいやね。
1両だけの単編成。臨時だったことは後で気づいた。

その次の電車で天神川まで行ったら、嵐電の旅は終了。なんやろね、この「初めて乗った気がしない感」は。使い込まれた車両や駅舎(新設の天神川を除く)、聴き覚えのある音。車に混じって走り、時には民家の裏の洗濯物をかすめる沿線風景。観光地直通を思わせない日常の香り。うん、確かに癒された。あの謳い文句を実感。
長くなったので、残りひとつのネタは次回に持ち越しで。

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