異邦人、香港へ行く (10) 叮叮紀行/跑馬地

なわけで本日2本目。香港のことも覚えているうちにどんどん書いておきたいんですわ。あれからも折に触れてちょいちょいデモのニュース観てるけど、無料折り返しプチ運転再開以降、本題も電車的にもなかなか進展がないようで。トラムの中の人には長期戦おつかれさまですと伝えたい。

銅鑼湾が近づく。

東行き線路は青く、西行き線路は赤い。いつものことじゃないのは、我々にもわかる。

本当なら、本線を直進できるはずだった。そごう前、円形の歩行者デッキ、総站。そこには行けない。西行き電車があちらから来ないことを、線路上に停まった黄色いトラック(保線の人かな?)も示している。
進めない無念さと、それでもここまでは来れるようになった嬉しさ、両方かみしめながら、電車は右折。

ここからは跑馬地(Happy Valley)支線と呼ばれる区間。コの字状に時計回り固定の単線である。入ってすぐ、以前から楽しみにしていたエリアにさしかかる。

返還前の訪問時に最も鮮明だった記憶、それは「2階建ての乗り物に迫りくる看板」。返還後、多くの電車通りが再開発などで洗練され、看板も減ったらしいことは、事前にストビューから推測できた。が、この区間にはまだ多くの看板が存在感を見せつけてくれていた。あとでちゃんと来よう。

この界隈がハッピーバレーと呼ばれる所以は、どうやら競馬場の名によるらしい。車窓から見えた限りでは絶賛改築工事中にも見えたが、レースは開催されているのだろうか。

そうこうするうち、終点が見えてきた。

跑馬地総站。ここは普段から総站である。堅尼地城〜跑馬地という、ここまで乗ってきた運転系統も普段から存在する。平常時ならばここから出る東行き系統もあるのだが、銅鑼湾封鎖により当然それは見合わせ中。よって、複数いる車両の行き先はどれも西方面。

いつもなら西と東でのりばを使い分けているようだ。

運転見合わせ区間があることを告げる紙が、電停に貼られている。これが剥がされる日を待っているのは乗客だけでなく、運転士さんなどトラム会社の人もそうに違いない。封鎖区間に労組の人たちが足を運び、我々にも養う家族がいるんです、と会見を開いたそうだが、その訴えが通じる日はいつのことやら。

では、支線の残りを乗って本線に戻るとしよう。

せっかくなので、1階に乗ってみた。両サイドにあるロングシートは、座席というよりベンチ。2階とはえらい違う。もっとも、乗り降りする空間を確保する方が1階では重要だろう。

後続の電車は、溜まることもあればまったく来ないこともある。きっと渋滞の影響。ようやく来た次の1両を、離れゆく車内から確認。

競馬場前を過ぎ、車道の高架下を少し走ると、ちらり覗く線路。これは車庫がむかしむかし、この奥にあったときの名残。車庫跡は返還前から時代広場(Times Square)という商業ビルになっており、当時の面影は偲ぶべくもない。

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