異邦人、香港へ行く (8) 叮叮紀行/堅尼地城

今回の旅がよほど楽しかったみたいで、反動がすごい。近場でのおでかけプランがさっぱり浮かばない。ほぼ毎年欠かさず海外に遊びに行く人の気持ちがちょっとわかった気がする。いや、うちは毎年は無理っす。主に経済面で。
えーとそれはともかく、香港トラム乗りまくりの話を続けましょう。

上環を出て30分ほどで、西の終点が見えてきた。

行き先として案内される総站の名は、堅尼地城(Kennedy Town)。正確に言うと、その名前は右奥に見えている東行き起点のもの。西行きの客は、左手前の爹核士街という電停で降ろされる。車両はそこから回送扱いで左折、1ブロック使って回り込んで東行き始発になる。
既出の通り、ここのトラムに終端と呼べる設備は実質ない。終点にループ状の折り返し線があるだけというのがお決まりの形状。終端マニアとしては、ある意味とても興味深い。

今降りた車両の後を追って、回送線を一緒にぐるり1周歩く。

どうやらこの辺りは住宅地としての需要が中心のようだ。あとこれは他の終点でも思ったのだが、街の中心部からやや離れた地区では「護老院」の文字がちょくちょく出てくる。老人ホームか。そりゃ老後は郊外でのんびりしたい人が多いよね。

かろうじて海の見える場所もある。ただ、始発電停の海側には高層マンションが建ち、海沿いの風情はあまりない。それより、このマンションが50階だか60階だかという猛烈な高さ。

そこまでとは行かなくとも、始発電停から東を観れば、電車通り沿いは背の高い家が多い。何フロアか数えるのもめんどくさくなってくる。

今回の旅には間に合わなかったが、年内(?)目標で MTR の延伸が進められている。

新設されるのは上環から西に数駅。これまで鉄道のなかった香港大学などを経由する、トラムとは若干異なるルートで、ここが終点。開業したら街の雰囲気も少し変わるのだろうか。

と、終点の街をひととおり観察したところで、次なる終点をめざすべく総站へ。

総站には詰所がある。ラッピング車だらけで気づくのがだいぶ後になったが、この壁色の緑が車両の原色のようだ。
では早速…おっと、これは上環止まりだ。もっと先へ行きたいのでこちらはスルー。

次の電車を待ち、早い者勝ちのベストポジションを求めて2階へまっしぐら。

香港トラムの車両は、原則として「先頭」が決まっている。だから2階の座席は基本的に「前」を向いた状態。乗降のスムーズさを図るためか、はたまた前面展望確保のためか、両端の席のみ横向きにセットされていることが多い。

こちらは後で撮ったが、階段は2ヶ所。運賃後払いの後乗り前降りということもあり、後方から昇ってきて前方に降りるのがスタンダードのようだ。
座席の素材やデザインは車両ごとにまちまち。リニュした時期などにもよるのかな。

なお、階段は結構狭くて急なのでいろいろ要注意。張り紙に言われなくても手すりに手が伸びる。

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