高架下の証人たち・西日本編 (5) 安寧の空間

夕方に母から電話。要するに連休の都合が悪いという話だったのだが、前フリが長い長い。娘相手じゃないと愚痴れない話もあるのだろうが、結論がなかなか出てこないというのはガールズトークの常ですかね。
さて昨年の弁天町のお話は今回でラスト。

そうそう、以前来た時に時間切れで観れなかった屋外展示もしっかり観ておこう。

客車つきの SL が2本、特急が1本。不思議な絵だが、過渡期ならこんな並びもあり得たのかね。

一応屋根もついているので、保存状態は良い。

この上屋、むかしむかしの京都駅から移築したものだそうで。そんな経緯もあってか、車両脇はホームのような感じで整備されている。

客車の中には入れないが、窓から様子を窺うことはどの車両も可能。

食堂車もこれだけふんだんに木を使っていると随分雰囲気が違う。普通に落ち着いたレストランのようだ。

こちらは座席。上の丸い部分は荷物棚ではない。というか、これは昼の姿で、

夜はこのとおり寝台になる構造。ある程度古い車両であることを考えると、機能性とデザイン性をよくぞここまで両立させたものだ。

個室もあった。今で言うトワのロイヤルみたいな感じで、やっぱり書斎に近い。こんな列車での旅は、さぞかし優雅な気分になれたことだろう。当時の人がちょっとうらやましい。まあお値段もお高いんでしょうけど。

と、往時の旅行風景に思いを馳せつつ。

ホームに洗面台、今も残っている駅はあるけど、こんな形はまず見かけない。夜行列車の多かった時分には、普通にみんな多用していたんだろうな。

そんなこんなで、だいたい観れるところは観て見学終了。

弁天町の駅真下、交通科学博物館という名前で営業している期間も、残りあとわずかとなった。展示物とは新・梅小路で再会するだろうけど、この建物は見納め。東の万世橋と同じように、思い出の中の風景に変わっていくことだろう。

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